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匠の技を見た 語り尽くせぬ魅力 

細田工務店「グローイングスクエア杉並和泉」


「花」がテーマの「グローイングスクエア杉並和泉」モデルハウス

 

随所に「奥の思想」「和の流儀」盛り込む

 久々に素晴らしい建売住宅を見学した。細田工務店が近く分譲する「グローイングスクエア杉並和泉」だ。街づくりから商品企画の細部まで計算し尽くされた、匠の技がひしひしと伝わってきた物件だ。

 物件は、東京メトロ丸ノ内線方南町駅から徒歩7分、または京王井の頭線永福町駅から徒歩13分、杉並区和泉4丁目に位置する全14戸で、敷地面積105.84〜165.81u、建物面積84.46〜104.06u、価格8,000万円台〜9,000万円台。構造は木造2階建て軸組工法。設計・施工は同社。

 見学に際して、広報担当の同社経営企画部・鈴木伊津美さんに説明していただいたのだが、普段もよく話される鈴木さんがいつにもまして饒舌だった。

 「ニュースリリースも出させていただいたが、とてもこの物件の魅力を言い尽くせなかった。いつもは、力が入った物件については、担当者の方から『ニュースリリースを出して』という注文があるのですが、今回はなかったので『どうしたの』と聞いたら、『商品企画に精も根も使い果たした』といわれました。お客様にも評判がよく、物件の説明をするのに、お1人当たり最低でも1時間半はかかるそうです」

センター試験にも出題された「奥の思想」


エントランス部分

 記者の拙い文章で物件の魅力を全て伝えられないのが残念で、写真も実物のよさを十分写しているとも思えないが、物件の魅力・特徴のいくつかを紹介しよう。

 この物件のテーマになっている「奥の思想」「和の流儀」だが、既存樹のクスノキの大木が植わっているエントランスから敷地中央に向ってなだらかな坂を登ると、「道」と各住戸の敷地とが一体となった空間が広がる。これにははっとした。驚きでもあった。

 エントランスとは別のサブエントランスには、経年変化により趣が違ってくる銘板が設置されており、小道の両サイドにはチゴザサや黒竹が植えられている。

 記者は、この光景を見て、故・宮脇壇氏が設計を担当した「鹿島高幡台」や「コモアしおつ」を思い出した。これらの団地も「街路」が街の風格をかもし出すのに大きな役割を果たしていた。「杉並和泉」も同様だ。

 今年のセンター試験で、狩野敏次「住居空間の心身論−『奥』の日本文化」が国語の問題として出題されたが、鈴木さんは「奥の思想」が取り上げられたことで殊のほか喜んでいた。

街路と一体となった外構−植樹帯−擁壁−建物

  
    写真左が「月」を、右が「雪」をテーマにしたモデルハウス                               

 外構がまた素晴らしい。街路・側溝にはピンコロ石が敷き詰められ、これと連続するようにグリーンベルトの土止めにもピンコロ石が採用されている。そしてグリーンベルトには山吹、アジサイ、雪柳、あせび、女郎花、なでしこ、山桜など和歌に詠まれた植物を配し、その奥に擁壁−連子格子−植栽−建物へと流れていく。この流れが美しい。電線類は地下に埋設されているから、一層映える。

 内装は「雪・月・花」の3パターンが採用されている。モデルハウスの「雪」は、金沢「箔一」の銀箔、オリジナルデザイン格子入り障子が採用されているのが特徴。「月」は、見る角度で表情を変えるビースクロスが採用され、カラーリングは白と黒の対照的なデザインが施されている。「花」は、京都「唐長」の唐紙が採用されている。


「花」がテーマのモデルハウス

  各住子の窓は、中央の道・空間を眺められるように巧に配置されており、景観を室内に取り込む工夫も凝らされている。

 最後に金額の話。最近の建売住宅の外構は坪当たり数万円ぐらい(それ以下か)だろうが、この「杉並和泉」はその数倍だろう。景観美も価値に換算したら数十倍になるだろう。方南町、あるいは永福町駅圏でマンションを分譲すれば、立地条件にもよるが坪300万円前後だろう。

 このことだけでも、この戸建てがいかに割安かが分かる。そんなに広告宣伝費はかけないのだろうが、圧倒的な人気を呼ぶのは間違いないと見た。


「グローイングスクエア杉並和泉」の街並み

 

(牧田 司記者 2月6日)

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