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2014/07/14(月) 00:00

ポラス 照明メーカー3社とコラボ「ボゥ ヴィラージュ越谷レイクタウン」

投稿者:  牧田司

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KOIZUMIが照明計画を担当した「3号棟」

 ポラスグループの2×4戸建て分譲事業を展開している中央住宅は7月11日、南仏の街並みをモチーフにした〝ボゥ ヴィラージュ〟シリーズ第12弾「ボゥ ヴィラージュ越谷レイクタウン」の現地見学会を行い、7月19日から販売開始すると発表した。照明メーカー3社とコラボしたモデルハウス3棟を公開し、一般の来場者も含めたコンテストを実施する。先日行われた決算発表でも、7月からポラスの得意とする中・大型物件の供給を開始するとあり、その第一弾である。

 物件は、JR武蔵野線越谷レイクタウン駅から徒歩8分、越谷レイクタウンの区画整理事業地内に位置する全62区画。土地面積は150.02~159.67㎡、建物面積95.75~100.50㎡、価格は未定だが、3,000万円台の後半から5,000万円台の前半(最多価格帯は4,000万円台の半ば)。第1期分譲は20棟。

 現地は、これまでイオンモールや民間マンション・一戸建てなど先行して開発が進められてきた駅北口とは反対の南側の戸建て街区の一角で、敷地面積が150㎡以上、壁面の位置が1m以上離すなどの規制がある住宅地。

 建物はベージュを基調とした外観デザインで、エントランス部分には自然石を敷き詰め、ウッド、タイル、ストーンの3種のサインウォールを設置。シンボリックな尖塔付きタイプも用意している。1階の天井高約2.7m、サッシ高約2.2m、親子リビングドアなどはこれまでの戸建てと同じ。

 見学会に臨んだ同社取締役兼マインドスクェア事業部部長・金児正治氏は、「駅南側は開発がやや遅れており、街のシンボルともなるよう緑豊かで潤いのある街づくりを促進させるためにも意欲的な取り組みを行なった。工期を90日に短縮し、照明メーカー3社と建物の商品企画段階からコラボしたのもそのひとつで、素晴らしいものができたと思っている。来場者の方に商品としても評価してもらうようコンテストも行う」と語った。

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「3号棟」

◇      ◆   ◇

 見学会に参加した記者にも3棟のなかで一番好きなのを選ぶよう求められたので、記者はためらいなくKOIZUMIが照明計画を担当した「3号棟」を選んだ。プレゼンが明快であったためだが、玄関・ホール・階段室の空間演出と、1階の南側に配したダイニング-リビング-畳コーナーの長さ約9mもある下がり天井のライティングが見事だったのを評価した。ダイニングに自然採光を取り入れたのもいいし、洗面室や主寝室の演出もユーザーに支持されるはずだと思った。

 照明はパナソニックが担当した「2号棟」は、外構・デザイン、吹き抜けのあるリビングなどプランはよかったが、照明はその意図が分かるだけに物足りなさを感じた。アプローチライト、スポットライトはいいのだが、玄関框とニッチのライティングのスイッチは手動ではなく人感センサー付きにすべきと思った。手動にするのであれば、点滅に家族のメッセージを込める、例えば点滅しているときは「パパ、お帰り」「ママ、ありがとう」「今晩はOK」など、消灯は「また無断で飲んできた」などだったら記者は投票したかもしれない。

 DAIKOが照明を担当した「4号棟」はせっかくリビングに吹き抜け空間を設けたのに、それが中途半端だったのが不満だった。リビング・ダイニングは17帖大あるのだが、中央の吹き抜け部分は1.3m×2.7m、2畳大しかないのがどうかと思った。吹き抜け部分を南面に寄せ、全面ガラス張りにしたら素晴らしい空間演出ができたのではないか。「温調」「楽調」などはリモコンなどでもっと簡単に調光できるようにしてほしかった。吹き抜けを利用した2階ロフトの提案はいい。

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「2号棟」

◇   ◆   ◇

 なかなかいい見学会だ。20年くらい前だったか、三井不動産レジデンシャルがYAMAGIWAとコラボして建売住宅を建てたのを思い出した。外灯の位置、足元灯、化粧がしやすい洗面室、自然光を採り入れた浴室などがユーザーの圧倒的な人気を呼んだ。ハウスメーカーでは旭化成ホームズが4年前に記者見学会を行なっている。

 今回の照明計画も順光よりもダウンライト、間接照明、アッパーライトを重視しているのは納得できた。しかし、ユーザーの視点に立った場合、金児氏がいみじくも言ったように「楽しい照明計画」になっているのかどうかについて同社も照明メーカーはもっと考えるべきだと思った。

 実はこの日、見学会の時間は1時間少ししかなかった。見学の最後の頃、ゲリラ豪雨が襲ったため、3棟全てを十分見学できなかった。記者は同社の車で駅前まで送ってもらったのだが、企画意図をしっかり理解するため同社の駅前のカフェ「バナーノ」で資料をじっくり読んだ。それでもよく分からなかったので、同社広報に連絡してもう一度戻った。結局、14:00から18:00過ぎまで取材した。

 それでも正直にいってまだよく分からない。コストはもちろんだが、「2号棟」でも書いたようにユーザーは手動で朝昼晩、用途によって光の調整などしているのだろうかという疑問がわくし、そもそも夜は暗いものだし、必要以上に室内を明るくする必要があるのかとも思う。

 もっと外光を取り込む工夫や闇を逆手に取ることも考えていいはずだ。光と風、光と音の演出がこれからは必須だろう。

 個人的なことをいえば、真っ暗な蚊帳の中に蛍を放ったり、障子の影絵を楽しんだり、雨戸の節穴から朝日が差し込み逆さ絵を描いた昔の住宅が懐かしい。至れり尽くせりよりもユーザーに考えさせる照明計画が一番いいのかもしれない。今回の試みがそのヒントになってほしい。

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「4号棟」

旭化成ホームズ 「明るさ尺度値」を用いた照明計画(2010/6/10)

 

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