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2015/04/09(木) 00:00

埼玉県 子育て共助に力 コバトンに赤ちゃん誕生 積水ハウスのモデル事業

投稿者:  牧田司

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「コモンライフ武蔵藤沢駅前」モデル棟「ひとえんラボ」

 積水ハウスは4月9日、子育て共助のまち「コモンライフ武蔵藤沢駅前」のグランドオープンセレモニーを行い、報道陣にも公開した。

 「コモンライフ武蔵藤沢駅前」は、埼玉県の旧県営入間下藤沢団地跡地での共助の仕組みの普及を目的としたモデル事業に採択されたもので、「ひとえんコモン」と名付けた街区中央のコミュニティ形成の場となる共用空間や場づくりの街区設計や、NPOとの協働による子育て世帯と高齢者世帯相互の見守り、見守られる関係を誘導する仕掛けなどが施されている。国交省の「平成26年度スマートウェルネス住宅等推進モデル事業」にも採択されている。

 物件は、西武線武蔵藤沢駅から徒歩4分、入間市武蔵藤沢周辺区画整理事業地内の開発面積約2,968㎡、全16区画の建築条件付き宅地分譲。第2期(11区画)の土地面積は139.69 ~169.12㎡、価格は2,780万~3,490万円。

 セレモニーで挨拶した同社埼玉営業本部長・新井冨士夫氏は、「街全体で子どもを育てる理想的な街づくりができた」と述べ、来賓として挨拶した埼玉県都市整備部長・秋山幸男氏は、「家族構成を考えた場合、4人を想定されるのが一般的でしょうが、県のマスコット『コバトン』の応援マークのこどもの数は今年2月に従来の2人から3人に増やした。元気な埼玉県を取り戻すために子育てに力を入れている県としても応援している」と語った。

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左から同社所沢支店長・長野太郎氏、秋山氏、新井氏

◇       ◆     ◇

 開発規模は全16区画と大きくはないが、しっかりランドスケープデザインを施していると思う。街区中央の木造シャーウッドのモデル棟「ひとえんラボ」(平屋建て、小屋裏付き)の商品企画とこの住宅を取り囲む街路計画がいい。

 「ひとえんラボ」は、「地縁」「血縁」「知縁」を繋ぐ造語からなり、高齢者世帯の入居を想定。延べ床面積は約108㎡。UDの考えを採用し、柱・壁の角は丸くし、廊下・階段幅はメーターモジュール。引き戸を多用している。吹き抜け部分の天井は無垢のヒノキ材。外構はベルバーン(陶板)を一部採用している。

 ここまでは同社のよくある商品だが、舗道に面した東側のほぼ中央に約2畳大の土間を設置しているのが大きな特徴だ。外部との交流がしやすく、しかも防犯ガラスには外から見えづらいフィルムを貼る工夫も施している。

 舗道は中央の部分のみだがインターロッキング舗装とし、さらに角を曲がる部分のみ道路幅を4m(他は6m)に狭め、車のスピードが出すぎないようにしている。その一方で、道路幅が狭い部分は住宅敷地をオープン外構とすることで狭さを感じさせない工夫も行っている。モデル棟が同社主力の鉄ではなく木なのもいい。

 同社住宅の特徴でもある「5本の樹計画」もしっかり盛り込んでいる。今年1月から本格的に分譲を開始し、すでに4区画が契約済みであることから、引き続き第2期の分譲を4月11日に開始する。

◇       ◆     ◇

 面白い話を2つ。一つは秋山部長が話したことについて。秋山部長はコバトンを引き合いに出して「子どもは3人かいい」と語った。これは確かにいいと思ったが、果たしてコバトンの子どもはそんなにいるのかと疑問に思った。社に戻り確認したが、あらゆる画像データを見ても子どもは2人(匹か羽か)しかいない。

 秋山部長は勘違いしたか、これから3人に増やすのだろうかと思い県住宅課に電話したら、「従来子ども2人だったのを赤ちゃんが誕生したことにして3人に増やした。秋山が話したことに間違いはない」ということだった。画像データも送ってもらったので紹介する。

 しかし、他のホームページではまだ2人のものが残っている。これは増やさないのか。それと、画像では子どもは女(メス)が1人、男(オス)が2人になっているが、これはどうしてか。「女の子が1人で男の子が2人というのが理想」と考える日本人が多いからか。ジェンダーフリーの人たちから批判されないことを祈る。頑張れコバトン! (これって埼玉県人には旧聞か)

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コバトンの家族

 もう一つは、面白くてニヤリとしてしまう誤植について。取材を終え、すぐ資料を読み始めた。ものの1~2分もしないうちに誤植を見つけた。「CONCEPT」の文章の中に「…人々が警戒に言葉を交わし…」とあった。明らかに「…人々が軽快に言葉を交わし…」の間違いだ。

 人のミスを指摘するのは恥ずかしいことだし、鬼の首を取ったようにミスをあげつらうのははしたない行為だ。そもそも記者にそんな資格はない。誤字誤植だらけの記事を書いているからだ。つい最近も東京建物の「目黒」の記事で「天井高5.8m」「5,300haを緑化」など5カ所もミスをした。加齢に加え、メガネがあわないからだ。先日、健康診断をしたら、視力はメガネをかけたままで右も左も0.6だった。

 そんなに目が悪いのに、記者の悲しい習性か、どうしても他の誤字誤植を見つけてしまう。誤字が「わたしを見つけて」と呼びかけてくるのだ。これが本を読む楽しみの一つでもある。村上春樹氏を押しのけてノーベル文学賞を受賞した莫言氏の超大作「豊乳肥臀」の和訳本で重大ミスを発見したときほどうれしかったことはない。発刊して10数年間、訳者も編集者もおそらく読者も気が付かなかったミスを発見したのだ。いまは重版が発行されているので、ミスは訂正されているはずだ。

 話しが脱線してしまった。元に戻すが、「警戒に言葉を交わし」はひょっとしたら、これはミスではなく書いた人の意図が隠されている掛詞ではないかと考えた。つまり、「警戒するために言葉を交わす」という意味が込められているのではないかと。何の警戒もせずに「軽快に言葉を交わす」のは記者くらいではないか。

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モデル棟(中央の部分が土間につながる引き違い戸。この部分のみ道路幅は4mしかないが、街区デザインに工夫を凝らすことで広く見せているのがポイント)

 

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