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2015/05/26(火) 00:00

旭化成ホームズ 築30年の二世帯住宅の満足度90% 孫への継承5割

投稿者:  牧田司

 旭化成ホームズの二世帯住宅研究所は5月26日、同社が供給した築30年前後の二世帯住宅を対象にした「30年暮らした家族による二世帯住宅の評価と住まい継承の実態」調査をまとめ報告書として発表した。

 調査は、築30年前後を経た二世帯住宅の約半数で親世帯(建設当時)が逝去するなど世代交代期を迎えていることから、親世帯の介護を経験した子世帯や祖父母同居で育った孫から見た二世帯住宅の評価や、住まい継承の実態を明らかにするのが目的。1983~86年に建設された二世帯住宅1,642件を対象に行なわれ、有効回答は243件。建設当時66.5歳だった親世帯は88.3歳 、子世帯は37.2歳から66.3歳。報告書はA4判138ページ。

 調査の結果、子世帯による二世帯同居の総合満足度は90%以上と評価が高いこと、親世帯がともに死亡した子世帯の76%が親の介護を経験していること、親-子-孫へと次代へ確実に継承されていることが分かった。

 二世帯同居でよかった理由では、「親の老後の世話」「安心して旅行や外出ができる」などが上位に挙がった。また、耐震性・耐久性などについては極めて高い満足度を示した一方で、洗濯機は二つ設置することや世帯間のプライバシーに配慮すべきとの声も寄せられた。玄関は一つでいいという声も多く寄せられた。

 二世帯住宅の継承では、1983~86年に建設された住宅1,912棟の現存率は93.3%に当たる1,783棟、オーナー居住率は90.2%の1,725棟に達することが分かった。単身孫(平均31.8歳)の69%は「そのままリフォームして受け継ぎたい」と答えるなど、実家継承意向が強いことが報告された。

 発表会に臨んだ同社取締役常務執行役員マーケティング本部長・川畑文俊氏は「当社が最初に二世帯住宅を提案してから40年。子育て、介護など課題解決の一つとして提案してきたが、意図してきたことが間違いでなかったことが分かった。報告書は今後の研究の一助にしていただきたい」と話し、二世帯住宅研究所所長・松本吉彦氏も「われわれの取り組みは果たして大丈夫かと心配もしたが、検証の結果、正しいいことが分かった」と語った。

 また、報告書の執筆者でもある千葉大大学院教授・小林秀樹氏は「二世帯住宅の約5割が孫の世帯に受け告げられるという調査結果にびっくりした。普通の住宅は1割くらいではないか」と評価した一方で、二世帯住宅を有効に活用するためシェアハウスやグループホームへの一部転用を可能にする法整備が必要などと話した。

 

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