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2016/11/22(火) 00:00

「時間をどう豊かに使うか 都市を評価する新しい指標に」 出口敦・UDCKセンター長

投稿者:  牧田司

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 柏の葉アーバンデザインセンター(UDCK)センター長・出口敦氏

 「ワークライフバランスに象徴されるようにいかに時間を豊かに使うか、これが都市を評価する新しい指標になる。これまで都市は公共性や利便性が重要視されてきたが、これからは人間の時間の使い方、豊かさをどう実現するかが重要」

 東京大学大学院教授で、柏の葉アーバンデザインセンター(UDCK)センター長を務める出口敦氏が11月22日、「UDCK設立10周年記念イベント」で語った言葉だ。

 この言葉を聞いてわが意を得たりと思った。記者はここ数カ月、いやバブル崩壊後ずっと考えてきたことがある。

 それは、「駅近」のマンションが〝過剰〟に評価され、その一方で豊かな自然環境や広い面積が確保されている郊外型が〝過小〟に評価されている市場はどこかいびつではないかという思いである。普通の会社員が23区内でマンションを買えない、住めない世の中は狂っている-この思いがずっと澱のように沈殿してきた。

 出口教授はその解けない謎を解くヒントを与えてくれたような気がした。しかし、果たして時間を豊かに使える会社員がどこにいるのか。記者は出口教授に「先生、仰ることはよくわかる。しかし、今の会社員は時間と仕事に追われ、全てのものを犠牲にして時間を確保するため『駅近』を選択する。豊かな時間など持てない世の中ではないか」と迫った。

 出口教授は「その問題を問を解くカギは可処分所得と可処分時間をどう増やすかだ」と答えた。

 時間や仕事に追われない、時間や仕事を追わない-そんな社会が来ることを記者は夢見ているのだが、「可処分時間」という概念は面白い。誰にも侵されない「可処分時間」は工夫次第で作れるような気がする。「柏の葉」が時間や仕事に追われない、そんな社会の実現のための実証実験プロジェクトであることを信じたい。

 「駅近」の価値については日を改めて書く。

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