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2016/11/24(木) 00:00

今後の市況を測る試金石 三菱地所レシジ・野村・セコム「蘆花公園 ザ・レジデンス」

投稿者:  牧田司


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「蘆花公園 ザ・レジデンス」完成予想図

 三菱地所レジデンス・野村不動産・セコムホームライフ(事業比率は非公開)が共同して12月に分譲する「蘆花公園 ザ・レジデンス」を見学した。敷地面積約15,000㎡のゴルフ練習場跡地に建設される全389戸の大規模マンションで、ランドスケープデザインに力が注がれている物件だ。

 物件は、京王線芦花公園駅から徒歩6分、千歳烏山駅から徒歩10分、世田谷区粕谷2丁目に位置する8階建て109戸と9階建て280戸の合計389戸の規模。専有面積は57.59~114.87㎡、価格は未定。竣工予定は平成30年1月上旬。設計・監理・施工は長谷工・不二建設共同企業体。

 現地はケヤキ並木が美しい、ゴルフ練習場「芦花パークゴルフ」跡地。敷地南側は第一種低層住居専用地域が広がる。

 敷地の約半分以上を空地としたランドスケープに力が入れられており、地域の自然植生や在来種を積極的に植樹し、いきもの共生事業所認証(ABINC認証)を取得するなど街との調和を図っている。また、「ロイヤルパークホテルズ」や「カッシーナ・イクスシー」とコラボレーションしたゲストルームやプライベートラウンジなど共用部分の充実を図っている。

 平均専有面積は75㎡超。全体的に広めのプランが多い。現段階で2,000件以上の問い合わせがある。

◇       ◆     ◇

 芦花公園駅はマンションの取材で度々訪れているが、アクセス、住環境は申し分ない。すぐ近くの対面には東急不動産の高級マンションシリーズ〝プレスティージュ〟の初期の頃の「プレスティージュ芦花公園」(158戸)がある。記憶は定かではないが、分譲されたのは昭和60年代初め。坪単価が300万円超で〝億ション〟もたくさん含まれていた。京王線での億ションの先駆けのような存在だった。その後、市場は狂乱時代に突入する。調布あたりで坪単価は500万円を突破した。

 もう一つ、芦花公園には記念碑的なマンションがある。セコムホームライフの「グローリオ蘆花公園」(373戸)だ。分譲開始は2008年、当初の坪単価は338万円。建築家・芦原太郎氏がデザイン監修した最高のマンションだった。しかし、時期が悪かった。リーマンショックの直撃を受けた。その後、完売まで数年かかり、最終的に坪単価は300万円以下だったはずだ。

 さて、今回の物件はいくらになるか。関係者は「未定」と口を閉ざすが、記者は坪単価330万円くらいに収まるのではないかと読んだ。明らかに最近のやや変調をきたした市況を踏まえたものだろうと思う。

 考えてみればこの30年間、「芦花公園」は市場の波に翻弄されてきた。いったいいくらで分譲されるのか、ユーザーはどう評価するのか。今後の京王線だけでなく、坪単価300万円前後のエリアの動向を探る意味でも試金石、指標となる物件であるのは間違いない。

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ランドスケープ

分棟配置と雁行設計が優れたセコムホームライフ「グローリオ蘆花公園」(2008/10/15)

 

 

 

 

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