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「むさしのiタウン」平均3.7倍の申し込み倍率に


竣工式でテープカットする右から作間秀樹東京工務店社長、細渕一男東村山市長、横山洋吉東京都副知事、吉原修都議会都市整備委員会委員長、丸山登東村山市議会議長

1期50戸の竣工式・申し込み開始

 「東京の住宅は狭くて高すぎる。3割は安く供給できるはず」という石原慎太郎都知事の発案で始まった「東村山本町地区プロジェクトむさしのiタウン四季の街」の1期竣工式が2月10日(土)、現地で行われ、50戸の申し込みも始まった。

 同プロジェクトは、西武新宿線東村山駅から徒歩7分の約10ヘクタールの都営住宅跡地で開発中の全280戸の戸建て団地。「東京の住宅は狭くて高すぎる。3割は安く供給できるはず」という石原都知事の発案により事業コンペが行われ、当選したアキュラホーム、東日本ハウスなど17社5グループで構成される東京工務店が事業主となっているもの。東京工務店は東京都と70年の定期借地権契約を結び、開発・分譲・管理・運営を行う。

 竣工式には石原都知事も参加する予定だったが、体調不良のため欠席。代わって出席した横山洋吉副知事は、「今日は、誰よりもこの日を待ち望んでいた石原都知事が欠席しましたが、低廉で良質な住宅の価格を3割下げるという実験住宅が完成して大変喜ばしい。今後もこのノウハウを広く公開し、住宅の構造改革に都も取り組んでいきたい」と挨拶。

 事業者を代表して東京工務店・作間秀樹社長は、「先月13日にモデルハウスをオープンして約1400組の来場者がある。大変盛況だが、これからが勝負。安くて、安全で、美しい街づくりを行っていきたい」と述べた。

 この日、申し込みに訪れたサラリーマン(58)夫婦は、「二人とも田舎の出身。借地権というのは少し気になるが、ここだったら庭いじりもできるし、子どもが生まれた娘夫婦と一緒に楽しい生活ができそう。気に入ったのは『木の香る家』」と語っていた。

 受け付け開始1時間で5倍の競争倍率となった「木造ドミノ」を建設した相羽建設・相羽正社長は「地域工務店として多くのハンディがあったが、ランクの高いものができた。市場価格の半値以下でしょう。よく頑張れたと思う」と語った。

 

 

左から「木造ドミノ」を建設した相羽建設・相羽正社長、設計担当の野沢正光氏、相羽建設・迎川利夫常務

 「木の香る家」の匠建設グループ

「私どもは、日々、徹底したコストダウンを図っています」と横山副知事(左)に説明するアキュラホーム・宮沢俊哉社長

 また、「木の香る家」を建設した匠技建・渡辺一夫会長も「40坪という割安感が出やすい広さだったのがよかった。ただ、月額4〜5万円の地代は、お客様にとって負担感は大きいと思います。もっと安くなるよう都も考えて欲しい」と語っていた。

 2月12日現在、申し込み件数は184件(平均3.7倍)、最高倍率は24倍に達している。空き住戸は9区画。

 

住宅価格は、外構、デザインなど総合的に評価すべき

日経新聞の記事に思う

 記者は、モデルハウスがオープンされたすぐ後に一度見学しており、ホームページにも記事(1月22日付)にしているので詳細は省くが、気になる記事があったので、記者なりの考えを示したい。

 竣工式の前日、2月9日付けの日経新聞朝刊に掲載された「『3割安』看板倒れ? 都が主導『格安住宅』」との見出し記事がそれだ。記事は、「実際は3割も安くない、話が違う」という見学者の声を紹介したものだ。坪単価60万円を超える物件もあるとしている。

 記事には、「建物本体以外の外構などの費用も含まれる」との作間社長のコメントも掲載されていたが、全体として「価格は安くない」という印象を与える記事となっていた。

 記者は、最初に見学したとき、坪50万円以下というのは本体価格のみで、外構費などは含まれないということを聞いており、外構、デザイン、ランドスケープなど総合的に評価して所有権の半値以下と評価した。建売住宅の評価とは、単に本体価格で評価するのでなく、全体として評価する習慣が身についているからだ。

 確かに、価格表から建物価格を計算すると、坪50万円を切っているのはアキュラホームの坪47万円のみで、木造ドミノと木の香る家が坪59万円、100年健康住宅が60〜62万円、東京新世紀住宅が61〜76万円となっている。

 ただ、日経新聞の記事のように、ユーザーは「住宅価格」といえば全てひっくるめた価格と思うはずだ。事業者サイドはしっかり説明する必要がありそうだ。

(牧田 司記者 2月13日)

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