RBA HOME> RBAタイムズHOME >2007年 >

 

地方転出⇔首都圏進出 大乱戦のマンション市場

 

地方進出(転出)デベロッパーが激増

地方からは原弘産、マリモ、章栄不動産などが首都圏進出

 ここ1、2年、首都圏を地盤とするマンションデベロッパーの地方進出(転出)が目立っている。主だったところを列挙してみるとゼファー、中央コーポレーション、アジャックス、タカラレーベン、セボン、東建不動産、山田建設、康和地所、ランド、シーズクリエイト、一建設、セコムホームライフ、アーネストワン…。

 その一方で、地方の元気なデベロッパーが首都圏に進出したり、全国展開したりするケースも目立っている。もともと地方展開が中心だった穴吹工務店はともかく、広島に本拠を置くマリモと章栄不動産、山口県下関が本社の原弘産、石川県金沢市のアパ、宮城県仙台市のサンシティなどだ。

 前者の地方進出企業が増えているのは、いうまでもなく首都圏でのマンション用地難が背景にある。適地は、入札によって資金力のある大手デベロッパーが落札するシステムができあがりつつある。商品企画力も大手と中堅以下では、一部を除き格段の差があるのが実情だ。やむなく地方に進出せざるを得ないというところがほとんどだろう。

 そして後者は、それぞれの地域で培ったノウハウを武器に大きなマーケットである首都圏進出をうかがう図式だ。

 原弘産は昨年、ヒューザーが施工中の原木中山のマンションを破産管財人から入札で譲り受け、分譲を開始した。吉祥寺では坪単価400万円といわれる用地も落札して話題となった。マリモは、首都圏というよりは埼玉、群馬、栃木県などの関東圏で供給を積極化。不動産経済研究所の調査では、2006年の全国供給量はベスト7位の3432戸を供給している。章栄不動産は15位の1999戸だ。同社は、ゴールデンウィーク明にも首都圏初の物件を供給する予定だ。

 記者は、地方進出も首都圏進出もそう甘くないと読んでいる。地方圏の取材はほとんどしたことがないが、地方にはそれぞれ地盤にしている既存のデベロッパーがいる。よほど商品企画力や販売力がないと太刀打ちできないだろうと見る。販売が思うようにいかず、早くも地方からの撤退が噂されるデベロッパーもあるほどだ。

 地方のデベロッパーが首都圏に進出するには、地方に進出する以上の土地情報収集力や商品企画力が求められる。地方のデベロッパーが首都圏で成功したのは、100の魅力≠盛り込んだり、デザイナーズマンションで話題を呼んだりしたタケツーぐらいだろう。

 首都圏も地方圏も大乱戦の様相を呈してきたが、果たして生き残れるのは…。

 

(牧田 司記者 3月19日)
ページトップへ戻る