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「むさしのiタウン・四季の街」出足好調

「むさしのiタウン・四季の街」

 

期間70年の定期借地権付き 所有権の半値以下

 「東京の戸建て住宅は狭くて高すぎる」「良質な住宅を今より3割程度安く提供できるはず」――石原慎太郎都知事の発案で始まった東村山市本町地区プロジェクト「むさしのiタウン・四季の街」がいよいよ分譲開始となる。

 現地は、西武新宿線東村山駅から徒歩7分、東村山市本町3丁目の一角に位置する開発面積約10ヘクタールの都営住宅の跡地。全体区画は280区画。  

 事業開始に当たっては街づくり、家づくりのコンペが行われ、家づくりについてはアキュラホームの「新世代住宅」、大和工務店・公住工務店・多摩消費者住宅・松本建工の「100年健康住宅」、匠技建・加賀美工務店・リンデンバウム遠野・現代計画研究所の「木の香る家」、相羽建設・オーエム研究所・オーエムソーラー協会の「木造ドミノ」、街づくりについては東日本ハウスグループの「東京新世紀住宅」の5グループが選ばれた。

 これら5グループが共同出資して、プロジェクトを開発・管理運営する目的の株式会社東京工務店を設立。東京都から期間70年の定期借地権として一括で事業用地全体を借り受け、転借地権付きで分譲するものだ。販売代理は三井不動産レジデンシャル。

 街並みは、いくつかの住宅が広い緑地を共有する「コモングリーンコミュニティ」や、全ての宅地から幅約1.5メートルの敷地を共有道路として提供される「コモントレイルコミュニティ」が設けられ、無電柱化も図られている。

 今回分譲される1期は50戸。敷地面積は約138〜227平方b、建物面積は約105〜139平方b、予定価格は2600万〜3980万円(最多価格帯3200万円台)。予定敷金は約119万〜242万円。予定月額土地賃料は2万8500円〜5万7700円。

 記者は、これら5グループのモデルハウスを見学して、「これは売れる」と実感した。

 その第一の理由は、所有権分譲と比べ半値以下の価格の安さだ。所有権分譲なら7000万円はするはずだが、それが3200万円台中心というのはいかにも安い。

 第二の理由は、各グループの商品企画がそれぞれ明確なテーマを持っており優れているからだ。

 「新世代住宅」は、他のグループの建物坪単価が50万円前後なのに対し、約37万5000円と安いのが特徴だ。徹底したコストダウンを図っており、デザインがシンプルで美しい。全ての居室ドアは開閉できる欄間と一体化されたものを採用。2階に設けた天窓を通じて通風に配慮している。

 「100年健康住宅」は、キュービックフレームに枠付断熱パネルを組み合わせた高断熱高気密の住宅。

 「木の香る家」は、接合部を補強金物に頼らない伝統的な木組みの住宅で、床・壁などに杉や松材がふんだんに用いられている。

 「木造ドミノ」は、太陽エネルギーを利用したパッシブソーラーシステムを採用。建具・面材に高強度のウッドパネルを採用しているのも特徴だ。

 「東京新世紀住宅」は、梁・柱に無垢材の1.5倍の強度を持つ集成材を、取り付けにボトルを採用しない金物工法をそれぞれ採用しているのが特徴だ。

 唯一の懸念材料は、敷地面積が広いだけに月額地代は平均で約5万円になることだ。70年間で値上げがなくても約4200万円だ。このあたりをユーザーがどう判断するか注目される。

 1月13日からモデルハウスがオープンされたが、13、14日の土・日曜日で約280組が来場。出足は極めて好調だ。

 アキュラホーム「新世代住宅」

欄間と一体化されているアキュラホームのドア

「100年健康住宅」

「木の香る家」

 「木造ドミノ」

(牧田 司記者 1月22日)