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ホテル業界にも異変もたらす東京ミッドタウン

最上のおもてなし$Sがけ伸びるウィシュトン

「ウィシュトンホテル・ユーカリ」佐藤三作総支配人

 

GWの予約は都心のホテルから埋まる逆転現象  

 「東京ミッドタウンの開業がホテルの宿泊状況を変えている」。こう語るのは、山万が経営している千葉県・ユーカリが丘駅前の「ウィシュトンホテル・ユーカリ」の佐藤三作総支配人だ。

 例年ならゴールデンウィークの宿泊予約は、ディズニーランド周辺のホテルから埋まっていき、都内のホテルなどはガラガラなのだそうだ。ところが、今年は都心のホテルから埋まっていき、次にディズニーランド周辺、そして郊外へと逆転現象が起きているという。

 「当ホテルも少なからず影響を受けている。例年ならこの時期、ゴールデンウィークの予約は75%ぐらいだが、今年は60%。東京ミッドタウンの開業はホテル業界に大きな影響を与えている。街を選んでホテルを選ぶという傾向が強まっている。都市間の引っ張り合いは益々激化している」と佐藤氏は語る。

「成田のサービス低下でウィシュトンが伸びる」佐藤総支配人

 その一方で、佐藤氏は、「成田や幕張のホテルはどんどん外資系やチェーンホテルなどに売却したりして経営が変わっている。コストを下げるため料理人を置かずケータリングに切り替えているところも増えている。その結果、お客様の宴会・料理に対する満足が得られなくなってきた。そのようなお客様が私どもを利用してくれるようになってきており、結婚やイベントが増えています」とも言う。

 佐藤氏は続けてこう言う。「ホテルはお客様に感動していただく仕事。私どもはウィシュトン・マインド≠ニ呼ぶ家庭的な最上のおもてなし≠コンセプトに置いております。ユーカリが丘の街づくりもホテルと同じ一種のサービス業。感動をつくる仕事です」と。

 記者は、佐藤氏が言ったウィシュトン・マインド≠象徴する体験をした。ラウンジでコーヒーを頼んだのだが、対応してくれた石毛富美子さんの笑顔がとても印象的だった。よくある慇懃無礼な態度とはまったく異なっていた。

 石毛さんはマーケティング部に所属、本来はお客様の送迎を担当しているのだが、忙しい時はラウンジも担当するのだという。

 昨年も同ホテルで、女性スタッフが小走りにお客様に対応している微笑ましい光景を見た。

 ユーカリが丘が、昭和50年代に事業開始した大規模団地だが、同様の団地とは対照的に奇跡≠ニ思えるような発展を遂げている。その成功の要因は、ホテルも含めた山万関係者全てが最上のおもてなし≠心がけているからだろう。

 

(牧田 司記者 4月16日)

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