RBA HOME> RBAタイムズHOME >2007年 >

 

「週刊朝日」また暴走°L事「マンション もう買うな!」

「マンション もう買うな!」という記事を掲載した「週刊朝日」

 

米を買うな∞パンを食べるな≠ニ言うのと同じこと

 長崎市長射殺事件と安倍首相や元秘書とが「関係」があるような記事や広告が「週刊朝日」に掲載されたことに対して安倍晋三首相が激怒したことについては当欄でも紹介したが、またまた「週刊朝日」が暴走°L事を書いた。

 同紙5/18号で「マンション もう買うな!」という派手な車内吊り広告と記事を掲載したのだ。どうせたいしたことが書かれていないだろう≠ニは思いつつ、買って読んだ。予想した通り中身は全くなかった。この種の記事のワンパターン、何人かの専門家≠フコメントの寄せ集めでしかなかった。批判するのもばかばかしいが、この際、問題点をはっきり指摘しておく。

 この種の記事でもっとも欠落しているのはマンション購入層の視点だ。毎年、首都圏で数万戸のマンションが売れるのは、マンションを買わざるを得ない購入層の事情があるからだ。住居が狭い∞古い∞通勤に不便∞家賃が高い≠ネど、数え上げたらきりがないほどたくさんの事情がある。このような人たちにマンションを買うな≠ニどうして言えるのか、不思議でならない。

 マンションは金融商品ではない。マンション購入者の多くは、飲まず食わずで頭金を貯めているのだ。そういう人たちにマンションを買うな≠ニ言うことは米を買うな∞パンを食べるな≠ニ言っているのと同じだ。同誌記者もコメントした業界関係者も、このことがまるで分かっていない。

 記者は、これまでたくさんマンションに関するコメントを求められてきた。最初から悪意に満ちた記事になることが分かっていた場合は、コメントを拒否した。善意の記事であっても、記者は相手記者にコメントを発する前に、マンションに関する基本的なことを十分説明した。わずか数行の記事にしかならないことが分かっていても、 1 時間ぐらいレクチャーしたこともある。だから、こんな(レベルの低い)マンションは買ってはいけない≠ニは言ったことがあるが、マンションを買うな≠ニは一度も言ったことがない。

 マンション購入層の事情が分かるからこそ、記者は年間200件ものマンションを見学して記事にしている。

 このところのマンション価格の上昇には頭を痛めているが、それでも価格に見合う価値のあるマンションは大歓迎だ。各デベロッパーは是非そうしたマンションを造って欲しい。単に用地費や建築費の上昇を価格にオンしただけのマンションを造っていては、やがて市場から退場を命じられるに違いない。

 

(牧田 司記者 5月9日)

ページトップへ戻る