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有言実行♀竝ケ社長 目標達成に自信みせる

 

 既報のように、三井不動産(岩沙弘道社長)は2007年度を初年度とする向こう10年間の長期経営計画「新チャレンジ・プラン2016」を発表した。2003年度をスタートとする長期経営計画「チャレンジ・プラン2008」を2年前倒しでほぼ達成したことを受けて発表したものだが、この間の同社の事業展開からして、よほどの経済環境の変化がない限り目標はほぼ達成できると記者は見ている。

 記者は分譲事業分野しかよく分からないが、現場取材をしていて、同社が劇的に伸びるだろうということは、岩沙弘道氏が社長に就任した平成10年6月のときから予感していた。

 岩沙氏が社長に就任したのは56歳だった。社長就任時の会見で、歯切れがよく通る声で有言実行≠強調されたのを今でも記憶している。青年社長£a生を印象付けたものだった。

 岩沙社長は、歴代の同社社長と同様、よく話すほうだが、その後の岩沙社長の挨拶はどんどん短くなっていった。挨拶の短さに比例するかのように、同社の事業スピード(期間)もどんどん早く(短く)なっていった。Jリートに真っ先に上場したのをはじめ、防衛庁跡地の「東京ミッドタウン」も「芝浦アイランド」も用地取得から完成までわずか6年だ。これほどスピード感をもって大型プロジェクトを推進したのは過去にないはずだ。

「ビジネスモデルを確立できたことは大変嬉しい」岩沙社長

 2年前倒しで目標が達成できたことについて、岩沙弘道社長は「手放しでは喜んでいないが、グローバルな環境変化によく対応できた。『保有事業』『開発事業』『マネジメント事業』を3本柱とするビジネスモデルを確立できたことは大変嬉しく思っている」と語った。

 「3年後に目標が達成できなければどうするのか」という記者団の質問に対しては、「私は有言実行。3年後の数値目標の達成には自信がある」ときっぱり答えた。

 記者が一番懸念している中国経済の先行きについては、岩沙社長は「中国の首脳などからいろいろ情報を得ているが、中国首脳も環境問題も含めて危機感を持っており、世界市場に対応できるのではと考えている。当社もカントリーリスクに十分対応できる」と述べた。

バランスがとれた国づくりの旗振り役は岩沙氏が適任

 同社の今後の舵取りに自信を見せる岩沙社長だが、まさか16年まで社長を務めることはないだろう。もしそうなれば74歳だ。同社の歴代社長の社長就任年齢と在任期間を下記に記すとこうだ。

  故・江戸英雄氏(明治36年7月17日生) 52歳 18年6カ月(昭和30年11月〜昭和49年5月)
  故・坪井東氏(大正4年5月1日生)     59歳 12年1カ月(昭和49年5月〜昭和62年6月)
  田中順一郎氏(昭和4年9月28日生)   57歳  11年(昭和62年6月〜平成10年6月)
  岩沙弘道氏(昭和17年5月27日生)   56歳  ? (平成10年6月〜 )

 18年6カ月にわたり社長を務めた故・江戸氏はともかく、あとの方は11年〜12年だ。岩沙氏も11〜12年とすると「新チャレンジ・プラン2016」の前半ステージが終了する頃だ。

 そこで、岩沙ファンの1人として記者は提案したい。岩沙社長には軸足を社長業(あるいは会長業)から公職に移して頂いて、わが国の国づくり、地域活性化に取り組んでいただきたい。現在、岩沙社長は不動産協会会長のほか、経団連と経済同友会の活動もされているが、いずれかのトップになっていただきたい。バランスがとれた国づくりの旗振り役は岩沙氏が適任だ。

 

(牧田 司記者 5月10日)

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