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 都の民設公園第1号「萩山 四季の森公園」開園祭り


「Brillia L-Sio 萩山」

 東京建物と西武鉄道は10月4日、東京都の民設公園制度を初めて活用したマンション「Brillia L-Sio 萩山」(全184戸)の敷地内に整備した東京都認定民設公園「萩山四季の森公園」が完成したのに伴い「開園祭り」を実施した。

 民設公園は、都市計画公園・緑地として指定されている区域内で一定条件のもとに民間が公園などを整備し、その見返りとして高層マンションなどの建設を可能としたもの。

 今回は全体敷地約1.5ヘクタールの約7割に当たる1ヘクタールを公園として整備し、残りの土地に地区計画で認められた高さ34〜35b(11階建て)全184戸のマンションを建設した。敷地全体の容積率100%をクリアしている。従前は西武鉄道のテニスコート場。17年に閉鎖・売却することが決まり、市が30〜40億円で購入する話もあったが、財政的に厳しいことからこの制度が採用された。

 敷地の底地権はマンションの管理組合が所有し、マンションの維持管理費とは別に月額25万円(1戸当たり平均約1400円)を公園の維持管理費用に当てる。公園を一般に公開することを条件に、公園にかかる固定資産税、都市計画税は減免され、実質的に無料となる。

 東京建物と西武鉄道は公園部分に地上権を設定。管理組合の委託を受けて向こう35年間、公園の維持管理を行う。長期の管理基金として1億500万円を拠出している。東大和市は、公園内に設置されたトイレのみを管理する。

 主催者として東京建物取締役住宅事業第一部長・矢内良樹氏は「今後とも市民の方々の憩いの場として利用していただくためきちんと維持管理していく」と語り、西武鉄道取締役執行役員・白山進氏は「マンションと合わせ駅舎のバリアフリー化など整備も行い、快適な空間づくりを行った」と述べた。

 来賓として出席した東村山市長・渡部尚氏は「市長になる前から携ってきた問題で、感無量。この制度を活用しなかったら戸建てになって、広い緑地は残せなかった。ケヤキの大木も残った。市民に愛され、活用されることを期待したい。同時に、将来、市が購入することも視野に入れ、購入基金を積み立てることも論議していく」と語った。

 民設制度の創設にかかわってきた東京都都市整備局都市づくり政策部緑地景観担当参事・大塚高雄氏は「日本で初めての制度を活用したこのような公園が完成して大変嬉しい。都はさらに普及するよう進めていく」と述べた。

 「Brillia L-Sio 萩山」は、西武多摩湖線・拝島線萩山駅から徒歩4分、または西武新宿線久米川駅から徒歩11分、東村山市萩山町3丁目に立地。敷地面積14,899u(うち民設公園部分10,429u)。専有面積63.70〜88.33u。竣工は平成21年7月。施工は西武建設。管理会社は東京建物アメニティサポート。


樹齢150年といわれるケヤキの前で行われたセレモニー

  
公園内に植えるためケヤキ、スダジイ、エゴノキなど120本の苗木が地域住民らによって植えられた(左)。右は記念のハギを植樹する管理組合・中村さん

公園を所有するマンション 東京建物・西武不動産「Brillia L-Sio萩山」

(牧田 司 記者 10月5日)