RBA HOME> RBAタイムズHOME >2009年 >


アキュラホーム リーディングカンパニー

千田工務店のエコの取り組みに注目


千田工務店・千田社長

 

「感動ものの省エネ大賞コンテスト」千田社長

 既報の通りアキュラホームは、「リーディングプロジェクト」のプロジェクトメンバー13社を発表した。記者が注目した企業の一つに岩手県北上市の「千田工務店」がある。同社は昭和57年創業で、5年前から太陽光発電システムを標準装備している。長期優良住宅も9棟の実績があり、岩手県ナンバー1のビルダーだという。

 注目したのは、太陽光発電システムを搭載した顧客約180棟の毎月の電気使用量と、余った電力を電力会社に売る「売電料金」のデータを取っており、「省エネ大賞コンテスト」を毎年実施していることだ。

 標準装備するのは、エコキュート、蓄熱暖房器、IH クッキングヒーター、食器洗乾燥機で、ガスや灯油を使用しなくても節電が可能なことを実証しようとしている。

 同社のホームページには、このデータも公表されている。ある5人家族の家庭の例を見ると、年間電気料金は約135,000円で、売電料金は約67,000円、実質支払い料金は約67,000円となっており、月額の平均支払額は約5,600円だ。また、2人家族の家庭では売電料金のほうが使用料金を上回っており、月平均で約5,000円の収入がある。

 千田孝道社長によると、「お客さま同士が競い合って消費電力の削減に努めており、コンテストは毎回大盛況。感動もの。売電単価が48円に上昇したので、更なる効果が期待できる。光熱費ゼロを目指す」と語っている。

◇    ◆    ◇

 CO2削減については、政府のエコポイントを始め様々な取り組みが行われている。東京電力も、かなり以前から電気、ガスなどの料金を入力すると、同世帯との比較や森林吸収量が分かるサービスを行っている。

 これはこれで結構なことだが、記者はもっとミクロな形でCO2削減を図れないかずっと考えてきた。つまり、いくらマクロデータと比較してもエコポイントを集めても、世の中を変える動きにはならないのではないかと思っている。

 もっとも効果的なのは、「○○さんのところは○○のような工夫をして電気代を削減した」というように、お互いの顔が見える地域ぐるみ・街ぐるみで取り組むことではないかと思っている。

 その意味で、同社の取り組みに注目したのだ。記者は、同じような体験取材をかつてやったことがある。リブランが分譲した環境配慮型マンションでは、「うちより○○さんのほうが電気代は安い」などと競い合ってCO2削減に取り組んでいた。入居者の方々がわが家の嬉々としてあちこちの温度を測っていたのをよく覚えている。

 同社の「省エネ大賞コンテスト」は、単にCO2削減だけでなく、地域コミュニティの向上という意味でも大きな可能性を秘めている。省エネの取り組みは楽しくなければ、ただ苦しいだけだ。

(牧田 司 記者 12月10日)