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後姿が美しい 「マンション環境性能表示」☆3つ

首都圏不燃建築公社・三菱地所

「パークハウス阿佐ヶ谷レジデンス」


「パークハウス阿佐ヶ谷レジデンス」完成予想図

 感動的なマンションを見た。「北側の表情がいいのが美しいマンション」とはSD建築企画研究所・清水修司社長が語った言葉だが、これほど後姿の美しいマンションを見たことがない。首都圏不燃建築公社(事業費率70%)と三菱地所(同30%)の「パークハウス阿佐ヶ谷レジデンス」だ。

 物件は、総武・中央線阿佐ヶ谷駅から徒歩1分、杉並区阿佐谷南3丁目に位置する16階建て全121戸 (非分譲住戸23戸含む。他に店舗6戸 ) の規模。現在分譲中の1期2次(23戸)の価格は4,000万円〜10,660万円(最多価格帯4,000万円台)、専有面積は約39〜85平方b、坪単価は355万円。竣工予定は平成23年2月中旬。施工は大豊建設。販売代理は三菱地所リアルエステートサービス。

 先月から販売が開始されており、1期60戸はほぼ完売のめどが立ち、今回23戸が分譲された。

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 販売事務所に設けられているマンションの模型に目が吸いつけられた。阿佐ヶ谷駅に面した北側外観デザインが得も言われぬ美しい表情をしていた。パンフレットの文章にはこう書かれている。「凜と美しく。主張しながら街と共存する」「一目で記憶され、鑑賞に値する美しい建築でもあること。駅前ランドマークの必須条件です」

 格子とガラスを組み込んだ幾何学的なファサードは、ビルでもないマンションでもない絵画を見るようであった。和風でもあり洋風でもある表情をしている。阿佐ヶ谷駅前にはメタセコイアの巨木が立っているが、この外観によく調和しそうだ。松やクス、ケヤキでは具合が悪く、外来種のメタセコイアがぴったりだ。企画・設計を担当したのは「OFRONT ビル」(渋谷区)や「二子玉川東地区再開発」(世田谷区)などを手がけたアール・アイ・エー。

 どうしてこのような外観にしたのか。販売事務所の永田卓也所長によると、阿佐ヶ谷駅前の顔にふさわしい外観にするようにとの杉並区の要望を受け入れたためだという。

 建物が完成すれば、間違いなく「一目で記憶され、鑑賞に値する美しい建築」として認識されるだろう。

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 このマンションには、もちろん他の魅力もある。東京都の「マンション環境性能表示」の全項目で満点の☆3つを獲得している。これまで満点の☆3つを獲得したマンションは、この物件を含め9棟しかない。(都は、今年1月から新たに評価項目「太陽光」を加え全5項目とする。従って「☆3 つ」は従来の12個から15個に増えた)SI対応ともなっている。

 エントランスアプローチ・ホールにはテラコッタルーバー、矢羽貼りレンガタイル、版築壁などが採用され、名工によるケヤキのオブジェ、家具が設置される。

 価格的な魅力もある。隣接地には2年前、野村不動産が分譲して人気になった「プラウド阿佐ヶ谷」が建っているが、当時の分譲単価は400万円を突破していた。今回のマンションは市況が異なるが、割安感があり、ボリュームも比較的大きい。内廊下方式で、ワイドスパンのプランもいい。

 今年を代表するマンションのひとつになりそうだ。

(牧田 司 記者 2010年3月8日)