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住友不動産 「有明北3−1」

容積率1種当たり42万円の安値で取得

 

 住友不動産が先に「臨海副都心有明北【3−1】地区(11街区)」の110,188uを約416億円で都市再生機構と東京都港湾局及び都市整備局から取得したことが話題になっている。同社は事業費約1,028億円を投じ、32階建てタワーマンション2棟約2,000戸のほか大型ショッピングセンター、多機能ライフサポートスクエア、オフィス、イベントホール、保育園など延べ床面積約29haの施設を建設する。事業開始は平成27年1月。

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 記者は、このニュースを聞いて同社はずいぶん安い買いものをしたという印象を受けた。当初の公募最低売却価格613億円から3割以上も低く取得したのもさることながら、取得単価が安いのに驚いた。単純に坪単価を弾いても125万円だ。

 同地区の容積率は300%で、東京都によると、同地区は地区整備計画に沿って開発するもので、基本的に容積率の割増はないというが、それにしても容積率1種当たりの単価約42万円は安い。記者はこのエリアのオフィスや商業施設の1種当たりの採算ラインは分からないが、マンションの分譲単価に換算すれば坪200万円を大きく下回ることも可能だ。

 ついでながら、安いといえば、太平洋セメントは今年9月、同社の中央区晴海2丁目の施設跡地10,293u(容積率400%の準工)を三井不動産レジデンシャルに80億円で売却している。単純計算して容積率1種当たり20万円だ。このエリアは再開発計画があり、すぐにマンションが建てられるわけではないが、再開発が決まれば容積割増もあるので、超安値になるのは間違いない。

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 この地区以外にも、中央区晴海を中心とする湾岸エリアでは、大型マンションがいくつか予定されており、オリンピック会場予定地の近くにはまだまだたくさんの開発用地がある。今回の両社の取得価格は、今後の周辺エリアの取得価格を引き下げる要因になるのではないか。

(牧田 司 記者 2010年12月22日)