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フージャースコーポレーション「グランセレッソ横濱戸塚」

15分間隔のシャトルバスで難点克服へ


「グランセレッソ横濱戸塚」完成予想図

 フージャースコーポレーションが分譲中のマンション「グランセレッソ横濱戸塚」を見学した。戸塚駅からのバス便物件だが、通勤時には15分間隔でシャトルバスを運行することで難点を軽減し、価格も割安感のあるもに設定している。昨年末の1期50戸が即日完売するなど、まずまずのスタートを切った。

 物件は、 JR 東海道線・横須賀線・湘南新宿線・横浜市営地下鉄ブルーライン戸塚駅からバス8分車徒歩3分、横浜市戸塚区柏尾町字大善寺前に位置する7階建て全317戸の規模。専有面積は70.06〜94.11u。2月上旬に分譲予定の「ニューイヤーステージ」(20戸)の予定価格は2,400万円台〜3,800万円台(最多価格帯3,000万円台)、坪単価は約130万円。竣工予定は平成24年11月下旬。設計・施工・監理は長谷工コーポレーション。

 このバス便をどう見るかが最大のポイントだ。まず、現地に遠くないところに住んでいるというタクシーの運転手の話から紹介しよう。運転手の方は「敷地は工場跡地。微妙な距離です。バスはラッシュ時にかなり渋滞します。不動坂というところで、まず動かなくなります。近道があるのですが、これだと車で5分くらい。自転車は危ないから利用しないほうがいい。遊歩道は近くを流れる柏尾川と線路のところで途切れており、歩いて通勤するのも大変」と話した。

 現地の線路と川に挟まれている立地も確認した。記者は数年前、東京建物が近くで分譲したマンションも取材しているが、そのときは坪147万円だった。今回のマンションは規模も大きく、環境が整えられる利点はあるが、市場からいって坪単価はアッパーで140万円とはじいた。130万円という単価は割安感がある。

 バス便の難点もシャトルバスの運行によってかなり解消されると見た。運行本数は、近隣物件が30分に1本ぐらいだというが、同社は15分に1本の割合で運行するという。料金は200円だ。市内を走っているバスは210円だから、それよりも安い。しかも、タクシー運転手が話したように、渋滞もなく5〜6分で駅につける。

 プランは、ほとんどの住戸が南東向きで、エントランス部分に約20uのガーデンポーチとリビング側に約35uのテラス・専用庭が付くタイプがいい。これまでエントランス部分に専用利用ができるスペースが付いている物件を見てはいるが、これほど広い面積が確保されているのは初めて見た。テラス・専用庭は使用料がかかるが、ガーデンポーチは無料だという。高さが1メートル強あるエントランス手すりの高さまでのものだったら、どのように利用しても可能だという。このガーデンポーチ付きは37戸あり、価格設定が最上階並というが、それでも人気が高いようだ。

 線路に近接している点はあるが、一部の建物を除き、前面は30メートル以上間隔がある。

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 建物が7階建てになっているのが気になったので、現地の担当者に聞いてみたところ、容積が200%の工業地域だが、建物の高さ制限が20メートルになっているためで、容積率を消化し切れておらず、153%になっていた。

 工業地域だから高さ制限があるのかどうか確認までしなかったが、制限を取っ払えば、もっと面白いファサードやプランができるのにと思った。

 販売に関しては、戸数が300戸以上もあるので何ともいえないが、競合物件も狭域では皆無のようで、順調に売れるのではないかと思った。

 同社は先日(1月20日)、昨年9月に公表した平成24年3月期決算の業績予想の売上高202億円を205億円に、経常利益35億円を46億円へそれぞれ上方修正した。売れ行きが好調に推移し、販売経費が削減できたからだという。今回のマンションは、11月の竣工まで完売は無理だろうが、期末まで大量に売れ残ることはないと見た。


コミュニティ広場

(牧田 司記者 2012年1月23日)