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埼京線・戸田市のマンション大激戦 新規・継続含めて1,000戸超 

住友不動産「シティテラス戸田公園」 「平井」の経験生きる


「シティテラス戸田公園」完成予想図

 先に野村不動産の「オハナ北戸田ガーデニア」を紹介した。今度は住友不動産「シティテラス戸田公園」。概要は先の記事を参照していただきたいが、広告表示では駅から徒歩15分でネックになりそうだが、ネックを解消するため戸田公園駅とマンションまでに無料のシャトルバスを運行する。時間は約5分。大規模だからこそできることだが、これは逆に大きなインパクトを与えるかもしれない。グロスを圧縮した67u台も評判がいいようだ。

 まず、同社住宅事業本部 埼玉事業所 営業課主任でマンションパビリオンの所長・堤田晃生氏の話から紹介しよう。

 「ゴールデンウィークから事前案内会を行なっているが、出足はまずまず、土日は1日20組弱、平日でも途切れなく来場者がある。価格? 価格は決まっていない。『北戸田』との競合? 戸田公園と北戸田はちがう。『平井』でも導入したシャトルバスを運行されるから、駅まで5分に短縮できる。ラッシュ時も混まないで分散されることが『平井』の経験から分かってきた。ストレスなく乗れるのが大きい。バスにしろタクシーにしろ、それなりのお金がかかる。バスの運行経費は管理費に含まれるが、大規模だからこそできること。戸田市の子育てマンションの認定も5月1日付で取得した。67uのタイプはお客さんも同業の関係者からも評判がすこぶるいい」

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 記者も、この自信たっぷりの堤田氏の話を聞いていて、徒歩15分はネックになるどころか、大きなプラス材料として作用するのではないかと思えてきた。シャトルバスの運行そのものは以前から遠隔マンションにはデベロッパー各社が採用している。同社のミソは「無料」であることだ。これは、4年前に同社と新日鉄都市開発が分譲して早期完売した江戸川区平井のマンション「AQURAS (アクラス)」(全567戸)の経験が生きているのかもしれない。「AQURAS (アクラス)」も駅から15分だったが、やはり駅まで約5分のシャトルバスを採用した。単価も170万円と安かった。

 もう一つ、グロス抑制策が功をを奏すのではないかということだ。67uのモデルルームは動線がよく、なかなか機能的にできていた。「 AQURAS(アクラス)」でも主力は60u台だったのがユーザーに評価されたように、このタイプは一定のユーザーに支持されるのではないか。同社はしっかり学習したということか。今回も半数以上がこの67uタイプだという。

 建物は総合設計制度の適用を受けており、敷地面積約12,000uに対して延床面積は約41,000u。南向きを中心に建物形状は南北軸が3列に並んだ4棟構成。維持管理費を抑制するため過剰≠ネ共用施設がないのも特徴の一つ。

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 こうしてみると、戸田市内で1,000戸超のマンションが競合することは共食いも見られるが、それぞれがコンセプトがしっかりしており、広域から集客できるのではないかとも思える。市況も追い風だ。肝心なのは誰に売るかだ。

埼京線・戸田市大激戦 マンション1000戸超が激突(5/28)

ユニクロ型マンションが評価された? 「アクラス」(2010/1/14)

(牧田 司記者 2013年5月28日)