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三菱地所レジデンス 全1,744戸の「ザ・パークハウス 晴海タワー」

2棟目「ティアロレジデンス」も分譲へ


「ザ・パークハウス 晴海タワー」全景(左が「クロノ」、右が「ティアロ」)完成予想図

 三菱地所と鹿島建設は5月29日、両社が共同で開発を進めている中央区晴海2丁目の大規模開発「ザ・パークハウス 晴海タワーズ ティアロレジデンス」プロジェクト発表会と「ザ・パークハウス 晴海タワーズ クロノレジデンス」の施工現場見学会を報道陣向けに行なった。5つあるモデルルームのうち1つをリニューアルし、「ティアロレジデンス」のモデルルームとして6月1日からオープンする。分譲は7月上旬。双方で1,744戸の規模となる。

 「ティアロレジデンス」は、東京メトロ有楽町線月島駅から徒歩13分、中央区晴海2丁目に位置する49階建て全861戸。専有面積は43.33〜127.79u、価格は未定だが、単価は「クロノレジデンス」の既分譲単価273万7,000円より若干高くなる模様。施工は鹿島建設。竣工予定は2016年4月上旬。


小野社長

 プロジェクト発表会で同社・小野真路社長は、「今期の分譲の売上げ予定戸数は6,100戸(前期比34.0%増、今期売上高は2,8880億円で前期比46.6%増を予想)で、三菱地所グループ全体の売上げへの貢献度は高くなると予想している。フラッグシップは千鳥が淵でも予定している。支店も仙台などの免震が好調。海外は私が率先して行なってきた事業。製・販・管のバリューチェーンも一層強化する。『晴海』の1期(クロノレジデンス)は60%の600戸が契約済み。年明けから従来の2倍のピッチの反響がある」などと意気込みを語った。

 「クロノ」はエスペラント語の「王冠」、「ティアロ」は「ティアラ」の意で、都心の輝きという想いが込められている。


左が建設中の「クロノ」、その右が「ティアロ」、その右隣が三井不動産レジデンシャルのマンション予定地(三井も頑張って≠ニエールを送っているのではないか)

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 新たに2期として発表された「ティアロ」と、建設中の「クロノ」とはデザイン監修が同じ世界的な建築家、リチャード・マイヤー氏であるためよく似てはいるが、微妙に異なる。「クロノ」は「織り布」をイメージしており、「ティアロ」は「折り紙」がコンセプト。頭頂部のデザインもやや異なっており、外観も「クロノ」は透明なガラス素材を多用しているのに対して、「ティアロ」は反射ガラスを採用、バルコニーをやや外側に前傾させ、空や景色を映し込めるようにしているのが特徴。

 プランも「クロノ」のお客さんの動向、ニーズを踏まえ4LDKタイプを採用し3LDKタイプも増やした。超高層ならではのワイドスパンも特徴で、60〜70uタイプでも7〜10mぐらいあるものが多い。ビューバスタイプもある。

 

◇     ◆     ◇

 シアターで最初に登場したのは「クロノ」のナビゲーターを務めた石川遼選手ではなかった。どこにでもいるような青年だった。記者は俳優やタレントはほとんど知らないが「まさか普通の青年であるはずがない」と思い、同業の記者に聞いたら瑛太氏だった。女性記者などは「石川くんよりずっといい」と話していた。記者が宣伝担当だったら、「ティアロ」にぴったりのオードリー・ヘップバーンの版権を採用する。費用もずっと安く済むはずだ。

 価格・単価については、小野社長は「未定」としか話さなかったが、瀬川修・副社長は「高額住戸を増やしたので、全体としては若干高くなるのどはないか」と語った。

 記者もそうなると予想する。お客さんの評価も「中央区アドレス」というのがもっとも高いということのようだが、記者は中央区アドレスよりも「現時点でもっともレベルの高い」マンションというのが最大の特徴だと思う。駅からやや距離があることを除いて、@南側が運河Aランドスケープデザインが優れているB鹿島の施工で免震C長期優良住宅認定、都の「マンション環境性能評価」制度で満点に星1つ欠ける14個獲得D周辺の月島や新豊洲などとの比較からして割安感がある−−などだ。利用料金50円を想定しているシャトルバスも武器になるのではないか。


免震装置

 こうした利点が多いことを考慮すると販売スピードはやや鈍いとも考えるが、「クロノ」は竣工する今年の11月までに売れるのではないかと見ている。販売スピードが鈍いのは、2016年の東京オリンピック招致に失敗し、物件ナビゲーターに決まってから石川選手は全然勝てなくなり、東日本大震災による風評被害が直撃したことなど三重苦≠背負わされたからだ。東京オリンピック招致が決まったらそれこそお客さんが殺到する人気になるはずだ。

 施工現場見学会では、ビルも含むわが国の建築物では最大となる1.6m四方の免新装置などが公開された。免震装置は丸型もあるが、四角のほうが面積も大きくなり、効果も大きくなるという。従来の免震装置の大きさは1.2〜1.4mぐらいだという。免震装置は 56 基、ダンパーは12基設置される。


晴海ストリートライフ号。7月末までの毎週土日、有楽町〜晴海間を運行する

(牧田 司記者 2013年5月30日)