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皇居が一望できる唯一無二のマンション

三菱地所レジデンス「ザ・パークハウス グラン 千鳥ヶ淵」


バルコニーからの皇居の眺め(完成予想図)

 眼下に皇居が見渡せる唯一無二のマンション−三菱地所レジデンスは8月5日、「ザ・パークハウス グラン 千鳥ヶ淵」の記者発表・モデルルーム見学会を行なった。全住戸から皇居が見渡せるという分譲マンションとしてはわが国初で、おそらくこれが最後と思われる物件だ。一般の事前公開は8月24日からで、分譲開始は9月。

 物件は、東京メトロ半蔵門線半蔵門駅から徒歩7分、千代田区三番町2番1(地番)に位置する敷地面積約2,300u、地下2階地上14階建て全73戸(事業者協力住戸51戸含む)。専有面積は72.26〜179.17u、予定価格は16,000万円〜54,000万円(最多価格帯27,000万円台)、坪単価は約800万円。施工は竹中工務店。設計監理は三菱地所設計、竹中工務店。インテリアデザインはメックデザインインターナショナル。竣工予定は2015年3月下旬。敷地は飛島建設の旧本社跡地。

 同社のフラッグシップマンションシリーズ「ザ・パークハウス グラン」としては第3号物件で、バブル崩壊後の同社のマンションとしては最高単価マンション。また、リーマンショック後の首都圏マンションとしては最高単価でもある。

 全住戸から千鳥ヶ淵越しの皇居の緑が一望できる配棟計画としているのが最大の特徴で、免震工法を採用。建物は「軒」「庇」などの伝統的な日本建築の特徴を継承したデザインとし、外壁などには濠の水面や緑と調和する色合いの御影石を使用。陰影のある外観や周辺環境と一体性を持たせ、各住戸はゆとりある開口部・高い天井高を実現した。

 特別仕様のモデルルームは、床にキャンプブルーと呼ばれる大理石、建具・面材にブラジル産のパープルウッド、冷蔵庫はドイツ製で1,000万円もする造り付けのものを採用。上階2層の階高は3,710ミリで、リビングの折り上げ天井部分は2,800ミリ。通常階の階高は約3,400ミリで、建具・面材は桐材、床は大理石、キッチン面材には黒檀を採用している。

 
外観(完成予想図)

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 記者の最大の関心事は、このマンションが三井不動産レジデンシャルの「パークマンション千鳥が淵」(2004年竣工、64戸)の坪単価778万円を越えるかどうかだった。坪単価そのものはリーマンショック前の三井不動産レジデンシャル「パークマンション六本木」は1,140万円だし、1戸あたり10億円超はたくさんある。バブル期にさかのぼれば坪単価2,000万円、3,000万円は当たり前だったし、1戸44億円のドムスマンションもあった。

 しかし、三菱地所レジデンス副社長・瀬川修氏が「三井さんの物件は首をひねらないと皇居は見えない。全住戸から皇居が見えるのは当社のマンションと隣接の賃貸マンションしかない」と語ったように、皇居が一望できる唯一無二のマンションだ。そのマンションが三井不動産レジデンシャルのマンションに負けるようでは情けない。坪800万円は納得だ。


配棟計画図

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 記者見学会で配布されたリーフレットには「この場所に居を構えるとき … その住み心地は、清々しいまでの心地よさに満ちている」とのコピーがあった。記者は「これは違う」と率直に思った。このマンションはありきたりのコピーでは表現できないマンションだ。

 マンションの宣伝コピーには辟易させられるものが多いが、今回のマンションは「春、華咲くこの地から、また新しい時が動き出す」「冬、無垢なる雪景が、冴え冴えとした空の下に広がる」「この国の空は、美しい」などとそれなりに皇居が見渡せる光景を表現はしている。しかし、皇居を眼下に見渡したとき、「清々しい心地よさ」を感じるだろうか。否、もっとお前はまっとうな生き方をしているか≠ェ問われるような厳粛な気持ちになるのではないか。背筋をピンと伸ばし、それこそ皇居に向かって平伏するか、三跪九叩頭する人がいても不思議ではない。

 そんな考えがあったからこそ、同社のマンションは唯一無二≠ノふさわしい価格を設定してほしかったのだ。しかし、まあ、毎朝、皇居に向かって緊張を強いられるマンションなど他にはない。ふしだらな格好もできないだろうから、記者などはお金があっても絶対買わない。人格者に買って欲しい。成金や国粋主義者には遠慮していただきたい。そんなマンションだ。


モデルルーム エントランス ロビー


キッチン

(牧田 司記者 2013年8月5日)