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 東京都の「長寿命環境配慮住宅モデル事業」

相羽建設「ソーラータウン府中」


「ソーラータウン府中」モデルハウス

 東京都が推進する「長寿命環境配慮住宅モデル事業」の「ソーラータウン府中」を見学した。都有地を活用した長寿命で環境への影響にも配慮した分譲住宅で、ライフサイクルの段階でCO2の50%削減を目指し、中小工務店の参画により先導的な環境配慮住宅を一般戸建住宅並みの価格で供給し、入居後の省エネルギー効果などの検証を行い、広く情報発信するもの。

 物件は、JR武蔵野線北府中駅から徒歩12分、又は京王線分倍河原駅から徒歩14分、府中市美好町2丁目に位置する全16区画。モデルハウスは、長期優良住宅認定、CASBEE戸建−新築2010年度版Sランクなどを取得した敷地面積134.99u、建物面積112.62u。スケルトン・インフィルを採用した木造木造軸組工法2階建て。

 太陽光発電パネル2.69kW程度(OMクワトロソーラー)、空気集熱式換気暖房・温水ソーラーシステム(OMクワトロソーラー)、廃排熱回収型給湯器(エコジョーズ)、HEMS(OMスマートネット)、電気自動車用コンセントなどを搭載。設計は有限会社野沢正光建築工房、施工は相羽建設。現在分譲中の住戸価格は5,000万円台の後半。

 ランドプランは住宅をジグザクに配置して風の通り道を作り、住宅と住宅の間に生まれる空間を共有の「みんなの庭」とし、緑のネットワークを築くのが特徴。

 住宅は、床にパイン材を使用。柱・梁は多摩のスギ材を使用することで建物全体の国産材使用率を60%に高めている。内装仕上げでは土佐和紙を使用するなど化学物質の使用をできるだけ少なくしている。ソーラーシステムで集めた太陽熱を床下に蓄熱することで家全体を暖め、暖房や給湯にも使用する。窓枠がないサッシの使用や、「深い庇、大きな窓」の工夫などパッシブデザインも取り込んでいる。

 昨年秋から販売が始まっており、現在までに4戸が契約済み。今年秋には全棟が完成する予定。

  
リビング(格子の壁の右端が大黒柱)                  洗面・トイレ(壁は月桃紙という汚れやすいところでも使用できる和紙)

◇     ◆     ◇

 今回、訪れたのは夕方だったが、暖房機を作動していない状態で1階の温度計は24℃を指しており、2階は19℃だった。国産材の使用率を60%に高めた取り組みも最高だ。建物は多くが建設中で全体像はつかめないが、いい取り組みだ。 設計の野沢正光建築工房と施工の相羽建設は「むさし野 i タウン 四季の街」(東村山市)で見学しており、「木造ドミノ住宅」のよさは体験している。

 壁と梁と6寸角の大黒柱1本のみでスケルトン・インフィルの大空間を造りだすわが国の在来工法の素晴らしさも目の当たりにした。

    
二階から見た階段室             デザイン処理された太陽熱を通すダクト


長押の裏に電気などの配線が施されており、好きな位置にコンセントを設置できる

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(牧田 司記者 2013年2月13日)