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急成長する中古マンション再生業(3)
2番手グループの一翼を担うムゲンエステート(10月12日)

 

 第一回で紹介した、中古マンション再生業の最大手・インテリックスの年間取扱高は1000戸を越え、圧倒的な戸数を誇っている。2番手以下は 200 戸、 300 戸ぐらいといわれるから、その差は大きい。市場全体では40〜50社の専業がいるといわれている。

 さて、その2番手グループの一角を占めるのが、前回紹介したアークフェニックスとムゲンエステート(本社:中央区日本橋浜町、 藤田進社長 )だ。会社設立は、平成2年。これまで、約1000戸の買い取り仲介の実績を持つ。

 社員数88名のうち営業マンは30名。その営業部隊を率いる同社営業部部長・芦田照三氏(54)は、「人生の半分以上この仕事に就いている」というベテランだ。マンション買取仲介について、「スタイルは古いかもしれないが、この仕事は勘と度胸、思い切りのよさが肝心」という。

 営業マンの目標は、1人月間1件の仕入れ。営業マンは毎日、売りに出されている中古マンションの現場調査に赴き、携帯で現場写真を撮り、ノートパソコンにつないで本社に送る。芦田氏はそれをチェックし、仕入れの判断を下す。手の内は明かさないが、芦田氏の頭の中には恐らく数万戸の中古マンションのデータがインプットされているに違いない。図面を見ただけでその物件の良否、買値、売値がアウトプットされる。

 その芦田氏ですら「目利きを誤ることがある」そうだ。「この仕事は、お金があれば誰でも出来るが、隠れた瑕疵が見つかり大改装ということにでもなれば、利益が吹っ飛ぶこともある。ギャンブル性の高い仕事でもある」と、警告も発する。

 それでも新規参入が後を絶たないのは、仕入れから販売まで時間がかかり、市況の変化に晒されるリスクの高い新築分譲業と異なり、市場が安定しているからだ。

 別のある中古マンション買取業者は、こんなことを打ち明けてくれた。

 「買取業者に流れてくる売り物件の6〜7割は、売主がどうしても売らなければならない事情を抱えている物件だ。債権者などから売り圧力をかけられている物件も少なくなく、実際、街金融から物件情報をもらう場合もあるぐらいだ。そういう物件は相場よりかなり安く買えるので利幅も大きい」

(牧田 司記者 10月12日)