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「港北センタープレイス」の現地で見た光景(1月12日)
 

 東急不動産、近鉄不動産、三菱地所、阪急不動産の4社共同のマンション「港北センタープレイス」を年明けの6日、見学した。横浜市営地下鉄センター北駅から徒歩3分の全728戸の大規模マンションで、昨年11月に分譲された1期328戸は約5500組の来場者を集め即日完売した。最多価格帯は4500万円台で、坪単価は179万円。ランドスケープ、共用施設が充実していたほか、施設の運用はホテルなどと提携してサービスの向上を図り、マンションと大型商業施設と駅をペデストリアンデッキでつないでいることなども人気を押し上げた要因だ。

 昨年末に同業の記者から「なかなかいい物件」とは聞いていたが、いま一つその人気の要因が分からなかった。やはり百聞は一見に如かず=B年初からいい物件を見学できたことが嬉しい。

 
神奈川県で一番若い街♂。浜市都筑区
 

 嬉しかったことがもう一つ。それはセンター北駅前ビル「ショッピングタウンあいたい」のファーストフード店が、小さい子ども連れの主婦らでごった返していたことだ。まだ学校が休みということもあるのだろうが、まるで子どもたちの遠足先のようだった。こんな光景は最近ほとんど見たことがない。どこからこんなに子どもが湧き出てくるのか。街の高齢化が進み、小さな子どもを見かけることが少なくなってきた多摩ニュータウンに住む記者としては不思議でならなかった。

そこで、早速会社に戻ってインターネットなどで調べてみた。センター北を含む横浜市都筑区は、神奈川県で一番若い市区町村だった。平均年齢は35・94歳。日本人の平均年齢は45歳だから、10歳近くも若いことになる。さらに0〜14歳の年少人口比率も20・0%と同県下でもっとも高く、逆に65歳以上の老年人口比率は9・1%で同県下で最も低い。1世帯あたりの人口も2・75と市平均の2・41を大幅に上回っている。

 都筑区が若い♀Xであるのは、わが国の大規模開発のうち「港北ニュータウン」がもっとも遅く開発され、同区自体も誕生して10年しか経っていないこととが主な理由だろう。農地など自然を残し、計画的に街づくりを進めてきたことも指摘できる。公園数や公園面積、割合はいずれも金沢区に次ぐ2位。つまり、街自体が若く、緑が豊富な子育てにいい環境が整っているということが、若年層をひきつけているのだろう。

 都筑区内の「子育てマンション」といえば、昨年、1万件近くの来場者を集めた伊藤忠都市開発などが事業主の「タンタタウン」678戸が思い出される。期間68年という長期の定期借地権により単価を110万円台という安値に設定。さらに 専有面積も平均100平方メートル超とし、新駅「葛が谷」に徒歩3分というのも圧倒的な人気を呼んだ。伊藤忠はその前年、家族の絆≠テーマにした三井不動産と共同の「パークシティ東京ベイ新浦安」で成功しており、それが参考になったようだ。

熟年層のニーズも取り込む
 

 話を「港北センタープレイス」に戻そう。このマンションの現地を訪ねて、もっとも感心したのは、若い子育てファミリーをメインターゲットにしながらも、熟年層向けのプランも用意されていたことだ。この街でこの立地なら熟年層も住みたくなるという印象を受けたが、そういうニーズをこの物件は取り込んでいる。ひょっとしたら、親と子の近居も生まれるかもしれない。

 子育て層向けのプランでは、他物件でも最近見られるピアノなども置けるキッズクロークや、料理をしながら子どもを見られるファミリースクエアなどの提案がされている。設備・仕様関係では、オリジナルの大型洗面ボウル一体型カウンター(松下製)、ユニバーサルデッキ(ノンレールサッシに最適)、ファミリースクエア(多目的室)などが印象に残った。

 都心回帰現象に拍車がかかる最近、若年ファミリーをひきつける郊外マンションを供給し、街の活性化にデベロッパーも一役買っていることに記者も喜びを感じた。


(牧田 司記者 1月12日)