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つくばエクスプレス開業に乗る&ェ譲住宅

出足好調の販売現場レポート

大和ハウス 積水ハウスの建売住宅モデルハウス

みらい平駅前の大和ハウス・積水ハウスの建売住宅モデルハウス

 つくばエクスプレス(TX)が開業して1週間。起点となる秋葉原駅では切符を買う行列が20〜30メートルもできるほど賑わいを見せている(券売機が5つしかないのも原因)。開業直後の29日、記者は沿線で始まったマンションや建売住宅などの分譲現場を見て回った。沿線トータルで 20 カ所、約 3300ha 、計画人口約 26 万人の街づくりがスムーズに行われるかどうかははなはだ疑問だが、いまが旬≠フ物件は間違いなく売れるという実感を得た。

売れ行き不振の保留地が動く

 快速停車駅の「守谷駅」周辺では現在、組合施行の「守谷東」 (40ha) と守谷市施行の「守谷駅周辺」 (39ha) の区画整理事業が行われている。前者はTX沿線で行われている 20 の区画整理事業のうち唯一組合施行による事業で、事業期間は昭和 63 年度から平成 17 年度、総事業費は 160 億円だ。うち48億円が国と茨城県の負担でまかなわれている。

 しかし、TXの開業の遅れと地価の下落で保留地が処分できず、組合はほとんど破綻状態に陥っていた。そこで昨年3月、組合が賦課金約 26 億円を負担、金融機関や工事施工者などの債権者が債権の一部約 32 億円を債権放棄し、 売れ残った保留地 131 区画を約 47 億円で守谷市が 100 %出資している守谷土地開発公社が買い取るという内容で再建計画がまとまった。その後、保留地処分が引き続いて行われていたが、今春まで約半分が売れ残っていた。1区画当たり 60 〜80坪と広く、坪単価約40万円と高いのが不振の要因と考えられていた。かつて三井不動産が市内で分譲した良好な住宅地「パークシティ守谷」内ですら、今年の地価公示でもっとも高い評価がされたのが坪23万円だ。これと比較してもいかに高いかが分かる。

 ところが、TXの開業を前後して保留地処分が急速に進んでいる。現在残っているのは10区画のみだ。不動産業者も買っているといわれるが、数ヶ月で約50区画が売れたことになる。販売価格からして驚異的な売れ行きだ。

守谷市初の分譲マンションも完売へ

 今年6月から穴吹工務店が分譲を開始した市内初の分譲マンション「サーパス守谷」も好調な売れ行きを見せている。

 守谷駅から徒歩9分の区画整理地内に立地する5階建て全98戸の規模で、専有面積は約 70 〜98平方b、最多価格帯は 2400 万円台、 2600 万円台(坪単価113万円)というものだ。設計は、六本木ヒルズなどを手がけた入江三宅設計事務所で、(財)建築環境・省エネルギー機構の環境共生住宅認定を受けているのも特徴の一つだ。

 同社東京支店マンション営業部係長・吉川修一氏は、「現在、申し込みを含めて売れているのは約8割。購入者は地元やつくば市、取手市などに居住する30歳代が中心。TXの開業はもちろんだが、緑が多い住宅地で、他の地区と比べ区画整理が進んでいるのが人気の要因。あと1、2カ月で完売の見込み」と見ている。

先行プロジェクトに来場者早くも200件突破

 守谷駅から一つ先の「みらい平」駅前では、茨城県の企画コンペに当選した街づくりの先行的なプロジェクトでもある、大和ハウス工業と積水ハウスが共同して分譲する建売住宅(3 3 戸)のモデルハウスがTXの開業と同時にオープンされ、24日の開業日に150件、8月 27 、28日の土曜・日曜で約 60 件の来場者を記録するなど、早くも 200 件を突破。上々の出足をみせている。

 1区画当たり60坪以上で、建物が 35 〜43坪、最多価格帯 4400 万円台というものだが、舗道の両サイドには緑地帯やコモンスペースが設けられているなどランドプランや、ユニバーサルデザイン、セキュリティにも力が注がれているのが特徴だ。土地価格も坪20万円台の半ばまでで割安感もある。まだ外構ができあがっていないが、抽選が行われる10月までには完成するはずだ。

「三郷中央」1期 140戸が即日完売

 このほか沿線では、八潮駅圏のフージャースコーポレーション・タカラレーベン「マリーナガーデン」、三郷中央駅前の東急不動産・オリックスリアルエステート「三郷中央セントマークス」などのマンションも好調な売れ行きを見せている。

 「三郷中央」は最多価格帯 2900 万円台(坪単価 134 万円)で、1期 140 戸が7月に即日完売した。申込者は地元中心で、三郷市居住者が35%だった。2期は10月下旬が予定されているが、売主の東急不動産では、広域集客に期待を寄せている。

(牧田 司記者 9月13日)