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拠点回帰℃タ証した大京「ライオンズプラザ多摩センター」

抜群の立地に、高い居住性確保

 大京が5月から分譲していた「ライオンズプラザ多摩センター」が9月28日、最後の1戸を契約して完売した。京王相模原線京王多摩センター駅から徒歩3分の15階建て 全157戸 総戸数 160 戸 という規模で、専有 床 面積は約 75 〜 150 平方b、最多価格帯 4800 万円台、 4900 万円台(坪単価175万円)というものだ。最近の同社では「ライオンズタワー月島」 総戸数 291 戸「 ライオンズマンション コスタ・タワー浦和」 総戸数 234 戸とともに早期完売ベスト3≠フ一つだそうだ。

 最大の人気の要因は、その立地環境だろう。多摩センター駅圏には、民有地での中小規模マンションはともかく、徒歩5分圏内、いや 10 分圏内に広げても良好なマンションは1つも建っていない。同駅圏は、新住宅市街地開発法(新住法)に基づいて開発された多摩ニュータウンの「都市センター」の機能を持つ地区として整備されてきた。デパート、大型スーパー、ホテル、パルテノン多摩、市役所出張所などのあらゆる商業・文化・行政機能が揃っている地区だ。マンションなどの住宅地はその外周部に計画されているため、ほとんどは徒歩10分以上となっている。大京のマンションが立地するところはもともと業務用地だったが、住宅用地に用途変更されたために実現したものだ。

 敷地の南側には歩道を挟んでベネッセの超高層ビルが建っているが、それ以外は絶好の立地といってよい。あまり知られてはいないが、パルテノン多摩では、毎年のように 小沢征爾さんの定期演奏会が開かれている。多摩センターとはそんな地域だ。

 関係者の中には、単価・グロスが高いことから販売を危ぶむ声も聞かれた。記者は単価については、むしろ割安感があると見ていた。絶好の立地だからだ。しかし、平均専有 床 面積が約 93 平方bというように、グロスで 5000 万円を突破し、最上階住戸などは 8000 万円前後もする価格帯に「果たして売れるのか」とも思っていた。

 ところが、現地に看板が立てられた頃から問い合わせが相次ぎ、早期完売の人気になった。驚いたのは、多摩ニータウン内に住む居住者からの買い替えが4割に達したことだ。昭和 50 〜 60 年代に建てられた古いマンションからの買い替えで、年代的には60歳代が目立ったという。

  これは、都心回帰とよく似た拠点回帰≠ニいう流れを反映したものだ。郊外の住宅を売却して都心に移り住むには抵抗がある層は、利便性の高い熟成度の高い街に移り住む傾向が顕著になっている。大京のマンションは、こういった層のニーズを見事に吸収したマンションといえよう。ワイドスパンの商品企画も光った。好立地にふさわしく居住水準の高いマンションにしたのも人気を呼んだ。

新百合ヶ丘に負けるな 多摩センターの復権≠ノ期待

 記者が、このマンションの早期完売で注目したのは、都心までほぼ同じ交通便の小田急線新百合ヶ丘と比べ人気度に差がつく一方の多摩センターの復権はあるのかという点だ。

 新百合ヶ丘では昨年、積水ハウス他「新百合ヶ丘レガートプレイス」 357 戸が坪 200 万円をはるかに突破していたにもかかわらず、 5000 組の来場者を集め早期完売した。近く分譲される三井不動産他「ガーデンアリーナ新百合ヶ丘」 697 戸は坪 190 万円ぐらいになりそうで、こちらも圧倒的な人気を呼ぶのは間違いない。商品企画レベルも高い。

 一方の多摩センターでは、これから東京建物他「 Brillia 多摩センター」 530 戸が分譲される。単価は不明だが、相場からすれば 145 〜 155 万円といったところか。敷地に隣接して「ワンにゃんワールド」があるのはマイナスに働くかもしれないが、多摩センターの魅力を訴えきれれば、新百合ヶ丘と好勝負に持ち込めるのではないか。生活利便施設の集積度では新百合ヶ丘に負けないはずだ。