「ニューシティ東戸塚」 歴史的事業が完了

「ニューシティ東戸塚」中央街区の街並み(1番手前の超高層タワーが「パークタワー東戸塚」)

 

 区画整理認可から 35 年 総戸数3668戸の街づくり

 三井不動産が中心になって開発を進めてきた「パークタワー東戸塚」が竣工し、報道陣に公開された。

 このマンションは、全体敷地約1万 3000 坪からなる中央街区にあり、東戸塚西武、オーロラモール、ダイエーなどの商業施設と超高層マンション「タワーズシティ」( 208 戸)「ル・パルク シエル」( 335 戸)「ビータワー」( 326 戸)との複合開発マンション。同社は「ル・パルク シエル」「ビータワー」でもオリックスリアルエステートと共に事業主となっている。

 地下4階地上32階建て全348戸の規模。平均坪単価は209万円、総来場者は3347組。一昨年10月から販売を開始し、今年3月に全戸完売している。事業主は同社(事業比率 70 %)のほか相鉄不動産( 20 %)、新日石不動産( 10 %)。

 設計デザイン監修は、同社の神保町マンションなどの監修を行っているマーク伊東氏。構造は、耐震性、遮音性に優れ、住戸内の梁の出っ張りを少なくした熊谷組の「ツインウォール構法」、アウトフレームを採用。階高は3メートル以上で、二重床・二重天井、オール電化、ディスポーザー付きなどが特徴だ。

 共用施設が充実しているのも特徴で、竹のフローリングを施したジェットバス付きのリラクゼーション・スパ、フィットネス・スタジオ&ゴルフレンジ、ゲストルーム、カルチャー・マルチルーム、シアタースタジオ、ライブラリー、ビューラウンジなどを装備。西武屋上とつながっているサブエントランスなど4カ所の出入り口を設けている。前2棟と比べ、有効率が 82 ・ 36 %(ビータワー 87 ・ 71 %、ル・パルク 87 ・ 74 %)と低いことにも共用施設の充実ぶりを見ることができる。

 今回の竣工により「ニューシティ東戸塚」の開発事業が完結した。同事業は、開発面積約 17 ・ 4 ヘクタール、最終住戸数3668戸、計画人口 1 万 2300 人というもの。

 昭和 39 年、東戸塚開発 80 万坪総合マスタープランの作成から、同 45 年の「東戸塚上品濃中央土地区画整理事業」の認可、同 52 年の熊谷組の土地取得、同 57 年のマンション分譲開始、同 60 年の中央街区特定街区の認定、同 63 年の超高層マンション着工、平成 10 年の中央街区商業棟の着工などを経て、今回の事業完了となった。マスタープラン作成から 41 年、区画整理事業認可から35年という長期にわたった歴史的事業だ。

 記者は、分譲開始時からバブル時の狂乱人気を経て、マンション売主として名を連ねていた日本ランディック、アサヒ都市開発の破綻もこのニューシティで経験した。感慨深い事業だ。

2Lタイプは単身女性に人気 トランクルーム1・5倍の競争倍率

 関係者から、購入者は子育て世帯とこれから子どもが生まれる世帯を合わせると半数近くで、 3000 万円台の2LDKタイプは単身女性に人気だったこと、坪単価 105 万円で 120 万〜 130 万円台(1坪)のトランクルーム(住戸の3分の1)が平均1・5倍の人気になったこと、地下駐車場は当初計画より1層増やし、平置きを増やしたこと、駐輪場も利用者が少ないことを考慮して、平面置きにしたことなど、とても興味深い話をうかがった。

 蛇足ながら一つ、言わせていただく。それは同業の記者に対してだ。

 今回の見学会に参加した記者は十人程度だった。先の三井不動産の「日本橋三井タワー」のお披露目会は数百人規模だった。話題性、ニュース性からして当然かもしれないが、今回あまりにも少ないのにがっかりした。

 このような貴重な体験をさせてもらえる機会を自ら放棄していいのだろうか。百聞は一見にしかず′サ場をみないと、本当のものは見えてこないといいたい。

 
(牧田 司記者 11月29日)