ポラスグループが 1、2位 木造耐力壁ジャパンカップ

テレビ埼玉・ポラスグループ提供番組の取材を受ける「胡座ッ渋:筋かいの逆襲」チーム(左から2人目が上廣氏)

 

「耐震強度には筋交いが重要」実証 ポラス暮し科学研究所

 

 実物大の木造耐力壁を組み立て、足元を固定した状態でどちらか一方の壁が破壊されるまで戦う「第8回木造耐力壁ジャパンカップ」が12月3日、静岡県富士宮市の日本建築専門学校で行われ、ポラスグループのポラス暮し科学研究所「胡座ッ渋:筋かいの逆襲」チームが優勝、同グループの職業訓練法人ポラス建築技術振興会「フレーマーズ:チャレンジャー」が準優勝した。ポラスグループは4連覇。フレーマーズチームは耐震性で1位を獲得した。

 今年で8回目を数えるこの大会は、NPO法人・木の建築フォラムが主催し、ポラス暮し科学研究所などが協賛しているもの。出場耐力壁 26体のうち予選を勝ち抜いてきた8体によりトーナメント方式で行われた。出場したのは、同社グループのほか、東京大学大学院木質材料研究室+アキュラホーム(3チーム)、なるこーむ一級建築士事務所(2チーム)、岐阜県立森林文化アカデミー森と木のクリエーター科。

 審査は、それぞれ規定に従い材料点、加工点、施工点、環境点、耐震性能点、デザイン点が計算され、総合得点で順位が決められる。審査員は日本住宅・木材技術センター理事長・岡勝男氏、首都大学准教授・藤田香織氏、木住建・建築家・宮越喜彦氏。

 土台、柱、桁などの組み立て・解体に要した時間、部材の重量、釘1本のコストまで計算されるため、1チーム3〜5人の作業員は真剣そのもの。熱い応援を受けながら、試合に集中していた。試合は早朝から夜まで戦いが繰り広げられた。

 

  上廣氏

 

 優勝した「胡座ッ渋:筋かいの逆襲」の作業責任者、同研究所・上廣太主席研究員は「 トーナメント 4連覇を果たすことができ、無敗のポラスを継続することができました。決勝戦をポラス同士で行うことになり少し緊張しましたが、先輩組みの方が勝つことができました。コストパフォーマンスを競う総合優勝を逃してしまったことは非常に残念ですが、 木造の耐震性にとって筋交いがいかに重要かを実証できて嬉しい。 トーナメント優勝できたことは非常に誇りに思っています」と 喜びを語った。

耐震性で1位獲得 ポラスグループの19歳フレーマーズチーム

「私たちは、あの姉歯のようなことは絶対しない」

トーナメント2位、耐震性で1位を獲得したフレーマーズチーム(左からテレビ埼玉番組スタッフ、手倉森、酢ア、馬場さんの順)

 

 予選8位通過ながら決勝戦まで勝ち進んだ「フレーマーズ:チャレンジャー」チームは、ポラスグループの職業訓練生で入校してまだ8カ月の19歳の若者だ。

 メンバーの手倉森智昭さんは、「9位とは 0.5点差だった。金物を100本以上使い、コストがかかりすぎの問題はあるが、耐震性を重視した。姉歯問題は、自分のことしか考えない人たちが起こした事件。私たちは絶対あのようなことはしない。お客様に喜ばれる仕事をしたい」と、耐震データ偽造問題にも答えた。

 酢ア悦正さんも「お金を安くしろといわれても、手抜きなんかしない」ときっぱり。

 馬場和樹さんは「お客様のことを考えていない。一番肝心なところの手抜きしたのが問題。施工現場でも何回もチェックを受けるからポラスでは絶対ありえないこと」と批判した。

 

総合得点がもっとも高いジャパンカップを制した「杉G:なるこーむ一級建築士事務所」の責任者、風基建設・渡辺隆社長 

組立作業中の風景(左がトーナメント優勝したポラスチームの耐力壁)

競技を見つめる関係者と報道陣

環境負荷部門で1位となった「にわか組:岐阜県立森林文化アカデミー森と木のクリエーター科」(右から3人目が設計を担当した植村千絵さん)

組立作業中のフレーマーズの3人

(牧田 司記者 12月5日)