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奥行き4メートルの新発想バルコニー

グランシティ ユーロリゾート葉山南のモデルルーム

「グランシティ ユーロリゾート葉山南」のモデルルーム

 

日本綜合地所「葉山」で初めて導入

 日本綜合地所が奥行き4メートルのバルコニーを「グランシティ ユーロリゾート葉山南」に初めて導入し、話題を集めている。

 通常、マンションのバルコニーの奥行きは2メートル以下となっている。建築面積を定めた建築基準法施行令第2条2項では「建築物(地階で地盤面上一メートル以下にある部分を除く。以下この号において同じ。)の外壁又はこれに代わる柱の中心線(軒、ひさし、はね出し縁その他これらに類するもので当該中心線から水平距離一メートル以上突き出たものがある場合においては、その端から水平距離一メートル後退した線)で囲まれた部分の水平投影面積による。ただし、国土交通大臣が高い開放性を有すると認めて指定する構造の建築物又はその部分については、その端から水平距離一メートル以内の部分の水平投影面積は、当該建築物の建築面積に算入しない」と定めている。

バルコニーの両側に吹抜けを設置することで容積不算入実現

 つまり、マンションの場合、1メートル+1メートル合計2メートルまでは容積率に算入しないことになっており、各マンションデベロッパーはこの規定により、バルコニーの奥行きを2メートル取っている。バルコニーの奥行きを長くすることのコストアップよりも、リビングなどの居室の延長線として利用できるバルコニーにしたほうが、販売促進につながるからでもある。

 この建基法施行令の規定によれば、日本綜合地所のマンションは奥行き2メートルを超える部分については容積率に算入され、その分居室の面積を減らさないと容積率の規定をカバーできないことになる。これまで奥行き2メートルを超えるマンションがほとんど分譲されなかったのはこのためだ。

 ところが、同社は、隣り合う住戸のバルコニー側に奥行き4メートル幅2メートル以上の吹抜けを設けることにより、容積不算入を実現した。

オープンエアリビングをあみ出した同社ならではの発想

 コロンブスの卵≠ニ同じ理屈で、説明されれば「何だ、そんなことか」と思うが、そんなことをあみ出すのがいかにも同社らしい。同社は、従来の発想に囚われないユニークな発想で次々とヒット作を供給してきた実績がある。

 その最たるものは、全開口サッシを採用し、バルコニーにウッドデッキを敷き詰めた「オープンエアリビング」の提案だった。これにより、1階住戸の居住性を飛躍的に高めた。価格設定においても、従来は1階部分がもっとも売れ行きが悪いことから価格を下げざるを得なかったが、同社は逆に価格を高くしても売れることを実証して見せた。

 大型住戸のマンションをたくさん設けることでコストを下げるとか、容積不算入のインナーテラスの提案なども行ってきた。

 こんなユニークな発想ができるのも、同社社長・西丸誠氏がデベロッパーでは珍しい建築専門の大学出身者だからだ。奥行き4メートルのバルコニーをあみ出したのも西丸社長だという。

 マンションは、横須賀市秋谷、「南葉山」と称される別荘の一角に位置する地上7階建て全64戸の規模。専有面積は約 56 〜85平方b、平均坪単価は170万円前後の予定だ。オーブンエアリビングバルコニー=i実用新案取得済み)と名づけられた奥行き4メートルで、広さ約10畳大のバルコニーには全開口サッシとウッドデッキ、照明が標準装備されており、リラクゼーション温水バス付きも12戸設けている。

 海に近いマンションは、これまでも総じて好調な売れ行きを見せており、葉山地区では坪単価200万円を突破していたマンションが早期完売した事例がある。このマンションも目の前には葉山の海岸が広がり、遠くには富士山も望める。海が好きな人にはたまらないマンションだ。

 

(牧田 司記者 2月22日)