RBAタイムズHOME > 2006年 > ニュース

マンション6000戸 豊洲地区で湾岸戦争♀g大

マンション開発ラッシュが続く江東区豊洲地区

マンション開発ラッシュが続く江東区豊洲地区

 

 

先行マンション「スターコート」が好調

 品川・天王洲アイル駅圏で勃発した東京湾岸マンション戦争≠ヘ、その後、芝浦、勝どきに広がっていたが、今度はいよいよ「豊洲地区」で大戦争が始まる。その先駆けマンションといえる「スターコート豊洲」が人気を集めている。売主は名鉄不動産、東武鉄道、アゼル、ニチモ、三交不動産の5社。日本ハムの新庄剛志選手がイメージキャラクターとして起用されているマンションだ。

 豊洲駅から徒歩4分の18階建て全740戸の規模で、昨年末に特別分譲された150戸が完売。先に抽選分譲された1期150戸は最高が20倍、平均2.0倍の競争倍率で即日完売している。近く分譲が始まる1期2次50戸は、専有面積は約65〜95平方b、価格は3700万円台〜5700万円台(最多価格帯4700万円台)、坪単価は200万円弱だ。

先行3物件も好調のうちに完売

 豊洲地区では、03年末から東急不動産や三交不動産などの「プライヴブルー東京」(全513戸)が分譲されており、その翌年には東京建物、平和不動産など共同の「東京フロントコート」(全981戸)が、そして05年には清水総合開発「豊洲シエルタワー」(全565戸、分譲は87戸)がそれぞれ分譲されており、早期完売している。

 分譲単価は「プライヴブルー」が坪180万円弱、「フロントコート」が坪175万円、「シエルタワー」が189万円だった。そして今回の「スターコート」が200万円弱だから、この3年間で単価は10%以上値上がりしたことになる。

 「スターコート」にとって恵まれているのは、この単価上昇がプラス要因になってもマイナス要因になっていないことだ。

 豊洲地区では、「スターコート」のほか、後述する「豊洲1〜3丁目地区まちづくり方針」に基づく再開発大型プロジェクトが進行中で、いずれも坪単価は220万円以上となる模様だ。先発のマンションが割安感をアピールできるメリットは大きい。

プラスに働く単価上昇

 地価上昇も援軍となっている。17年度の江東区内の地価公示は、一部を除いて対前年比横ばいか値下がりしているが、再開発エリアに近接する「豊洲4丁目」の一角は1.7%ながら対前年比値上がりしている。近く発表される今年の地価公示でも上昇する可能性は高そうだ。

 大型プロジェクトの1つは、近く分譲開始される石川島播磨重工場の工場跡地再開発プロジェクト(豊洲2丁目7街区)の石川島播磨重工場・三井不動産「パークシティ豊洲」1476戸だ。地上52階建てタワー棟など3棟のほか、食品スーパーやスポーツクラブ、シネマコンプレックスをはじめとしたデイリーゾーンやエンターテインメント施設等の約200の専門店からなる都内有数規模の商業施設から構成されるものだ。イメージキャラクターとして女優の黒木瞳さんが起用されている。

既分譲を含めると7000戸を突破

 計画はまだまだある。豊洲3丁目の8−4街区では、住友不動産が約850戸のマンションを計画中だ。さらに8−3街区では野村不動産、三井不動産、三菱地所、東京建物の4社JVでやはり約850戸のマンションが計画されている。また、9街区では住友不動産が1000戸近いマンションを建設する。

 このほか、8−2街区(A)で大和ハウス工業が275戸、8−2街区(B)で双日が400戸の賃貸マンションをそれぞれ建設する。計画が煮詰まっていない2街区、3街区でも業務中心ながら、住宅が建設される可能性もあり、再開発エリア内で合計6000戸のマンションが予定されている。エリア外のマンションを合わせると軽く7000戸を突破する。

「豊洲1〜3丁目地区まちづくり方針」

 再開発計画は、平成13年に東京都が策定した「豊洲1〜3丁目地区まちづくり方針」に基づいて進められているものだ。その骨子は、@大規模な造船所跡地を含む約 60ha のエリアの一体開発A民間の発想や活力を生かしながら、今後のウォーターフロント開発のモデルとするB港湾計画変更や都市計画策定などの諸手続を進める指針とする――などとなっており、水辺や造船所のドック跡を生かした水辺に開かれた賑わい空間を創造し、ゆりかもめの延伸も行い、臨海部への新たな玄関口とする計画だ。想定人口は約2万2000人を予定している。

 

スターコート豊洲(パンフレットより)

「スターコート豊洲」(パンフレットより)

 

(牧田 司記者 3月10日)