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デパ地下≠ネらぬ駅近≠ェ人気
明和地所のマンション

「クリオふじみ野」(完成予想図、パンフレットより)

ここ1〜2年の仕入れ強化が実を結ぶ

もう一つ裁判が残っているとはいえ、「クリオレミントンヴィレッジ国立」裁判で全面勝訴した明和地所が、 本業でも好業績を上げている。 ここ1〜2年、強化しているデパ地下≠ネらぬ駅近<}ンションが極めて好調に推移しているからだ。

その典型的な物件「「クリオふじみ野」を見学した。

「クリオふじみ野」は、東武東上線ふじみ野駅から徒歩1分。 建物は10階建て全70戸。専有面積は約56〜76平方b、坪単価は170万円台の予定。 設計は、マンション設計では定評のある日建ハウジングシステム。 4月1日にモデルルームをオープンしたばかりだ。

最大の特徴は、もちろん好立地。駅前ロータリーを挟んですぐ駅で、 しかも、敷地南側の地域は高い建物は建てられないので、将来の住環境も担保されている。 中層フロア以上からは富士山も望めるという。

住戸プランもいい。同社が得意とするワイドスパンが中心で、 間取りがコンパクトな2〜3LDKでも約6〜7メートル近く確保されている。 モデルルームになっている角住戸(約76平方b)では、 PP(パブリック&プライベート)分離が完全に図られており、3面バルコニー、多目的に使えるDEN、 広い玄関ホールなどが備わっている。 オプションだが、炊飯器の湯気を自動的に排除してくれる食器棚を提案している。 基本性能、設備機器、仕様レベルも水準以上だ。

同社営業推進部第1グループリーダー主任・金安健一氏によると「モデルルームオープン2日間で来場者は約80組。 角住戸はほとんど予約が入っているし、完売までには時間はかからない。 所得が高い方が多いのも特徴で、角住戸は年収1500万円以上という方が多い」と、早期完売に自信を見せている。

同社が駅近<}ンションの土地仕入れに力を入れているのはここ1〜2年で、極めて好調な売れ行きを見せている。 好立地の土地を仕入れられるのは、他社と比べ決済が早く、ほとんど即断即決の形で商談がまとまるからだと思われる。 同社によると、前々期販売12物件うち駅から5分以内が6物件、10分以内が3物件で、 前期は11販売物件のうち5分以内が5物件、10分以内が5物件だ。

主だったものを列挙してみると、「八王子横山町」(駅5分、101戸)「藤沢駅前」(駅1分、104戸) 「町田駅前」(駅5分、183戸)「横須賀本町」(駅8分、93戸)「「かしわ台」(駅5分、107戸) 「東久留米」(3分、37戸)「茅ヶ崎駅前」(駅2分、99戸)などだ。このほか、 同社の売上高の4〜5割を占めるファンド卸(1棟売り)も、好立地物件が多いから好条件で売却できるという。

もともと駅近≠フマンションは人気があったが、最近は単身女性やDINKS、熟年夫婦などの人気が高く、 これらのニーズを取り込んだ同社の戦略が実を結んだ格好だ。

ちなみに、前期唯一の駅近でなかった物件は「クリオ二俣川」で、駅から19分の147戸だった。 それでも自力で売り切ったという。

引き継がれる明和地所の遺伝子

同社は今年で創業20周年を迎える。会社を立ち上げた原田利勝前社長、高杉仁前専務は昨年、 それぞれ会長、副会長に退いたが、現在も毎日のように出勤し、幹部の相談を受けている。販売力と企画力の両方が備わった明和地所の遺伝子は、代が替わってもしっかりと受け継がれているとみた。

国立裁判では実害で数百億円、風評被害を含めるとおそらく数千億円の被害を蒙っているはずだが、 裁判のすう勢は決した。これからの反撃が期待できそうだ。

(牧田 司記者 4月6日)