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分譲マンションでは初? 

鹿島と日建のコラボ「コートレジデントタワー」

「コートレジデントタワー」のモデルルーム(パンフレットより)

 

 

中間梁工法により パノラマピクチャーウインドウを実現

 施工が鹿島建設、設計・監理が日建設計という組み合わせのビルなら数え切れないほどありそうだが、売主・施工が鹿島建設、設計・監理が日建設計というこれ以上ない組み合わせのマンションが人気を呼んでいる。「コートレジデントタワー」だ。

 分譲マンションでは初めてと思われるこの組み合わせの「コートレジデントタワー」は、JR水道橋駅から徒歩4分の文京区後楽1丁目の一角、敷地南側は外堀通り、北側が小石川後楽園に面している21階建て全122戸の規模だ。専有面積は約45〜114平方b、坪単価は343万円。、販売代理は三井不動産販売。

 2月から分譲が始まっており、1期、1期2次合わせ88戸が販売済みだ。平均競争倍率は約2倍にのぼった。来場者数は約750組。

 モデルルームを見学して、人気になるのは当然だと思った。「さすが鹿島、さすが日建」とうならせる技術が盛り込まれているからだ。

 まずファサード。ガラスは特殊ガラスが採用されている。日射熱を反射し、室内の冷房負荷を軽減するとともに、日射や角度によって映し出された景色が変わるというものだ。ブラインド効果もある。また、縦、横方向に「PCリブライン」を施すことによってシャープな外観を創りだしている。

 眺望の視野角を広げるための工法を採用しているのも大きな特徴の一つだ。従来の順梁工法では、バルコニーのコンクリートによって視界がさえぎられるのに対して、同社が採用した中間梁工法は、窓面を外壁面まで前に出し、足元からガラスが立ち上がっているので、上方にも下方にも視界が広がる「PPW(パノラマピクチャーウインドウ)」を実現した。

 最上階住戸は階高を約4メートル取り、天井高約3.5メートルのリビングとしている。さらにリビングと寝室はステップを設けることにより、立体的な空間も演出している。

 隣接する小石川後楽園の借景を満喫できるよう北側リビングタイプを多く設けているのも特徴で、大きな窓付きのビューバスも採用されている。

 唯一残念に思ったのは、全体的なレベルの高さに反して、建具、面材などがやや貧弱に見えた点だ。もちろん、競合しそうな物件と比べ見劣りがするというわけではないが、これほどの物件なら、価格を上げてでも思い切って突き板仕様にして欲しかった。鹿島と日建のブランドならそれが可能だろう。

(牧田 司記者 4月7日)