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アクティブ・シニアを意識したマンション マツヤハウジング

「多摩永山」では玄関にペットの足洗い場付き

玄関内部のベンチを開けるとペット専用の足の洗い場がついている

 

 業界初の花粉症対策マンションを昨年分譲して話題となったマツヤハウジング(久保棟男社長)が、今度はアクティブ・シニア層の需要を取り込む工夫を凝らしたマンションを分譲する。

 夫婦がともに健常で時間にゆとりがある50歳代後半から60歳代半ばの元気なシニア層≠アクティブ・シニア層と捉え、「健康・スポーツ派」「インドア習い事派」「ゆとり派」「ペット共生派」「仲間と趣味派」の5つに分類し、その趣味志向のニーズを「都会暮し派」「田舎暮し派」の立地エリアによる分類と複合的に組み合わせた3つのコンセプトマンションを企画したものだ。

 第一弾となる京王相模原線永山駅から徒歩13分の「ガーデンホーム多摩永山」(69平方b中心、販売戸数31戸)では、「ペット共生派」「ゆとり派」のニーズに対応するためペットとの共生を徹底的にこだわる。共用部分に温水ペットバスやグルーミングスペース、屋上ドッグランを設けるほか、専用部分の玄関内部にペット足洗い場を設け、ペット専用居室も設置する。

 第二弾の新宿エリアの物件では、フォームチェック機能つきゴルフ練習ブース、屋上パターゴルフ練習場を設けたマンションを分譲する。

 第三弾は、「仲間と趣味派」「インドア習い事派」「ゆとり派」に提案するもので、近隣住民と触れ合いのできる廊下、ダンスホール、坪庭浴室などを設ける。

 このほか、キッチンシンクの上部・中部・下部にそれぞれスライド式のプレートやまな板がセットされている3Dシンク(トーヨーキッチン製)や、バルコニーとビューバスの間に吹き抜け空間を設けたもの、インナーテラスを設けたものなども提案していく。トイレも将来の介護を考慮した配置とする。

アクティブ・シニアを前面に打ち出すのは販売面ではマイナス?

 アクティブ・シニアの部類に入る記者は、同社の記者発表を聞きながら、アクティブ・シニアやペット共生を強調すればするほど、若年層やペット嫌悪派からそっぽを向かれるのではと考えていた。また、「姥捨て山のようなマンションなんか嫌い」という記者のようなひねくれたアクティブ・シニアがいるに違いないとも考えた。

 かつて単身女性専用マンションが分譲されたことがあったが、販売は好調でなかったことを記憶している。オールドミスマンション≠フレッテルを貼られるのを嫌がった女性が多かったためだろうと記者は分析した。

 それと同じ理由で、アクティブ・シニアを前面に打ち出すのは販売面でむしろマイナスに働くのではないかと危惧している。この点を同社に質したところ、「広告ではアクティブ・シニアを前面に出すことはしない。これまで1割だったアクティブ・シニアの購入層が2割、3割に増えれば大成功」という応えが返ってきた。

 広告やモデルルームを見ていない段階では何ともいえないが、玄関の足洗い場はペットだけでなく泥んこになった子どもの足の洗い場にもなりそうで、3Dシンクは間違いなくヒットしそうだ。結果がどうでるか楽しみだ。

 

ペット専用居室も用意される(夫の思索の場にはならないのだろうか=記者注)

 

(牧田 司記者 8月31日)