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大和ハウスが25年ぶりの新工法

戸建住宅「xevo(ジーヴォ)」発売

高性能・高耐久・太陽光発電システムを標準装備

 大和ハウス工業(村上健治社長)は、同社の戸建て住宅商品の9割以上を占める軽量鉄骨造戸建住宅の新工法を25年ぶりに開発、新ブランド「xevo(ジーヴォ)」として9月1日から発売する。

 「xevo」は、今後の基幹商品として位置づけられているもので、耐久性と省エネルギー性に優れた同社独自の外壁システム「外張り断熱通気外壁」を標準装備。さらに、長期間美観を維持する外壁塗装「 XE コート(ジーコート)」や省エネ効果の高い「太陽光発電システム」を採用して建築後にかかる費用「ライフサイクルコスト」を低減できるのが特徴。

 また、新たな工法を採用したことにより耐力壁の強度を既存の工法と比べ約1.3倍(同社比)に引き上げた。このため住宅全体に必要な耐力壁を削減することが可能となり、大空間や大開口を実現した。

 販売目標は平成19年3月までに4800戸、平成19年度は1万2000戸。販売価格は本体工事価格3.3平方b当たり49万円から。

30年間で約340万円のライフサイクルコストを低減

 記者はデベロッパーのマンションや建売住宅を取材する機会が多く、ハウスメーカーの戸建て住宅を取材する機会は少ない。発表会には約250人の記者が集まったというが、その数にまず驚いた。デベロッパーの記者発表でこれほどの数はよほどのことがないと集まらない。

 村上社長が直々にプレゼンテーションを行ったのも住宅業界では珍しいことだそうで、それだけにこの新商品にかける同社の意気込みが伝わってきた。

 住宅の基本性能で重要なのは耐久性・耐震性・省エネルギー性であることは間違いなく、同社がコストを上げずに従来商品よりそれぞれ優れたものを採用したというから商品企画開発力の高さにも驚いた。30年間のライフサイクルコストを一般家庭で約340万円削減できるというのも、大きなインパクトになりそうだ。

 商品の細部の点でもいくつか注目できる。1階リビングのサッシはレール段差がないものを採用しているが、2階のはき出し窓もレール段差がないという。おそらくこれは同社だけの商品だろう。

 サッシの高さも約2.4メートル確保。リビングに面したキッチンカウンター下に大きな収納を設けているのも好感される。

 一つだけ不思議な光景を見た。会見が終わり、新商品の展示取材(1階のキッチン・リビング・ダイニング)があったのだが、約250人もの記者の圧倒的多数はその展示コーナーを見ることなく会場を去っていった。見なくても理解できているのか興味がないのか記者には分からないが、信じられない光景だった。

 

(牧田 司記者 8月31日)