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即完条件揃った「CHIBA CENTRAL TOWER」だが

新価格≠フ浸透度いま一つが不安材料

「CHIBA CENTRAL TOWER」完成予想図

 

 

 この秋のマンション市場を占う意味で注目されているのが、千葉市での大量供給だ。幕張エリア最大級の有楽土地など6社JV「コロンブスシティ(マクハリタマゴ)」(全896戸)や、千葉市最高峰の43階建てオリックスリアルエステート・ニチモ「 CHIBA CENTRAL TOWER( 千葉セントラルタワー ) 」(全434戸)などの新規に加え、現在分譲されているものを合わせると数千戸ものマンションが供給される。中には最寄駅が土気、穴川、スポーツセンター、千葉寺、実籾などこれまでほとんど供給事例がなかったような地域でも供給され、大激戦が予想されている。

 個別物件で注目されるのがやはり「マクハリタマゴ」と「 CHIBA CENTRAL TOWER 」だ。

 前者は、まだモデルルームがオープンされていないので詳細は不明だが、坪単価は140万円ぐらいか。最寄駅の海浜幕張駅から徒歩20分(シャトルバスが運行される模様)で、高速道路に近接しているネックをどう克服するか。

 後者はすでにモデルルームがオープンされているので見学した。 JR千葉駅から徒歩10分で、専有面積は約44〜161平方b、坪単価は190万円ぐらいになる模様だ。事業比率はオリックスリアルエステートが55%、ニチモが45%。

 モデルルームの設営は、オリックスリアルエステートがこれまでに分譲した「THE TOKYO TOWERS」「THE TOWERS DAIBA」などと同様、非日常≠演出した度胆を抜くものだ。

 ゲストルームは、仕様は本場から取り寄せた「バリニーズ」仕様とかで、90平方bぐらいある。大きなジャグジーバスがデンと据えられており、あの大理石張り2層の「 THE TOKYO TOWERS 」のゲストルームに優るとも劣らない豪華さだ。宿泊料は高くても6000円ぐらいにおさまるという。

 各住戸の内装は38階までのC−クラスと、39〜42階までのEクラス、それに最上階住戸のフリープランのSクラスがあり、EクラスとSクラスは億ション仕様。

 161平方bのプランは天井高約3メートルで、職人がカンナで削ったという木製の玄関扉、せせらぎのような水盤がある玄関ホール、天井がガラス張りの玄関ホール、坪庭付きの浴室、紫檀の建具など、これまで見たことのないような仕様になっている。とはいえ、よくある生活感のないものとは違い、このままでも十分住めるような造りになっているのが特徴だ。価格は1億7000万円ぐらいだという。

 その他、逆張りハイサッシ、二重床・二重天井など基本性能も高く、千葉県内ではおそらく初めてといえるグレードの高さだ。

 現地は、県庁など官庁街にも近く、再開発計画が進んでいる市内の一等地。即日完売の条件が揃っていると見たが、問題は千葉県の特殊市場だ。

 都内や神奈川方面ではすでに新価格≠ェ浸透しており、ユーザーも先高観を十分認識しているが、千葉県では新価格&ィ件がまだなく、高い価格に戸惑いを見せているという。千葉駅周辺物件でも1、2年前はせいぜい坪140万円で、「6000万円、7000万円も出せば戸建てが買える」という認識だそうだ。

 しかし、この「 CHIBA CENTRAL TOWER 」が価格の壁を打ち破れないと、これから続々坪200万円超えが供給される千葉の市場は先行きが思いやられる。

 広告宣伝はこれから本格的に始まるが、現在のところ、問い合わせは約1100件、来場者は250〜300組という。

 

(牧田 司記者 9月13日)