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 リゾートブーム再来?! ロイヤル木島寛社長に聞く

「オーシャンビュー赤根崎」

 

リニューアルマンション「オーシャンビュー赤根崎」を分譲中

 

 バブル崩壊後、リゾートマンションの分譲はバッタリとまり、市場そのものがなくなっていた。ところがここ数年、再び供給されるようになってきた。供給量が年間1万戸、坪単価も軽く300万円を突破していた当時と比べスケールは小さいが、一部にはバブルを思い出させる動きも見られるようになってきた。

 そこで、25年前から熱海、軽井沢などで地域密着型のリゾート事業を行ってきたロイヤルハウジングの木島寛社長に最近の動きについて聞いた。同社は現在、熱海駅前の店舗には25人、軽井沢の店舗も20人近くのスタッフを抱えている。

 木島氏は、「確かに伊豆半島や軽井沢のリゾートは動いている。伊豆は団塊世代の実需が中心で、軽井沢は一部転がし≠熏sわれている。坪20万円が一気に40万円になるケースも見られる」という。

 同社も最近、子会社のロイヤルリゾートを通じてリゾートマンション「オーシャンビュー赤根崎」の販売を開始した。

 JR熱海駅から車で約10分ほどの海に面した全90戸の規模で、建物完成は昭和50年。ホテルとして利用されていたもので、昨年9月、同社が買い取り、リニューアルして分譲している。専有面積は約21〜94平方b。価格は約21平方bで990万円から、約43平方bで2400万円、約94平方bで5280万円だ。

 木島社長は「一気に売ることは考えていない。リゾート生活を乱すような人はお断りしている。購入者の審査をきちんと行って選別する。来年の2月までに47戸売れればいい。残りは来年に売る」という。

 同社は、もう1棟販売を予定している。熱海駅から徒歩2〜3分の、竹中工務店施工によるもので戸数は24戸。坪単価は215万円だ。

 木島社長は「高さは16階まで可能だったが、既存の建物の高さ10階までに下げた。街をよくするため、景観に配慮することが企業モラルとして求められている」という。

 リゾートブームについては、木島氏は懐疑的だ。「熱海では、これまで2度のリゾートのブームがあった。最初はオイルショック前の商社を中心とするブーム。2度目はバブル期で、大手デベロッパーがこぞって参入してブームとなった。そして今回は、新興デベロッパーの参入が相次いでいる。計画だけでも数棟ある。しかし、リゾートは価格があってないようなもの。売れ残れば処分も難しい。大きな目論見をすると失敗する。そのツケも大きい」と警鐘を鳴らしている。

 木島社長は、バブル崩壊も予言した人だ。リゾートマンションの分譲ラッシュがいつか来た道≠ノならないよう祈りたい。

 

(牧田 司記者 10月19日)