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「御殿場プレミアム・アウトレット」を初見学

 

「御殿場プレミアム・アウトレット」施設内からはくっきり富士山も映っていた

 

人・人・人  信じられない光景が展開

 12月2日の土曜日、御殿場プレミアム・アウトレットを開業6年目にして初めて見学した。2000年7月に開業した同施設は、初年度目標来場者200万人を大幅に越える600万人を達成。大変な賑わいを見せ業界でも話題になった。

 この施設の計画段階から企画に参画していたのが、三菱地所ビル事業本部SC事業企画部主事・藤原将文氏だ。藤原氏は平成6年に同社に入社以来、ほぼ一貫して商業施設部門を担当してきたベテランだ。

 その藤原氏から、「御殿場の成功は涙が出るほど嬉しかった。是非、見て欲しい」と言われた。藤原氏が感涙した施設がどんなものかを確認するのが見学の目的だった。

 運転免許を持たない記者が新幹線こだまで品川駅−小田原駅に行き、小田原駅から東海道線国府津駅に戻り、ここからローカル線の御殿場線に乗り換え、御殿場駅で下車。さらにシャトルバスで約15分。2時間以上もかかってたどり着いた現地は、人・人・人。どこからこんなに人が湧き出るのか、信じられない光景を見た。

 施設の概要などを今更紹介しても意味がないので、来場者の声を紹介しよう。生の声が、どうしてこの施設が成功したかを如実に物語っている。

千葉ニュータウン ママさんバレーチーム「夫は留守番」

 千葉ニュータウンから何と貸切バスで乗り付けたのが総勢19人のママさんバレーチーム。年齢は30歳代から60歳までという。毎月2000円を旅行のために積み立てており、1人約3万円の費用という。今回は箱根に一泊するという。買い物はセーターなど衣類が中心で、中には、「水着」を買ったスイミングに通っている人もいた。「夫は留守番」とか。

冨士霊園のお墓参り兼ね、年3〜4回来場

 神奈川県藤沢市に住むサラリーマン(42歳)4人家族は、「冨士霊園にお墓があるので、お墓参りを兼ね年3〜4回ぐらいでしょうか。子どもの靴とか洋服など、予算は3〜4万円」とのこと。

19歳女性は「彼氏へのクリスマスプレゼントに7万円」

 静岡県焼津市から友だちときた介護関係の仕事をしている女性 (19歳)は、「あまりこないけど、店が一杯あって楽しい。目的は、彼氏へのクリスマスプレゼント。予算は6〜7万円ぐらいかな」

トヨタ系の会社員はスノーボードに10万円

 掛川市のトヨタ系の会社に勤める会社員(25歳)は、友だち数人と一緒で「車で2時間。ガソリン代は4000円くらい。年間5回ぐらい来るが、予算は10万円。スノーボード関連商品を買いたい」

横浜から車で1時間、時期外れだが、安いのが魅力

 横浜から車で1時間かけてきたというサラリーマン(32歳)4人家族は、「半年とか1年とか、季節はずれの商品が安い。2〜3万円買う予定」とか。

夫婦揃って1泊旅行のついでに来場

 名古屋市から来たサラリーマン(47歳)夫婦は、「ここは初めてだが、長島(三重県)にはよく行きます。アウトレットはアイテムが揃っていていい。焼津に1泊した帰りで、このほかにもあちこち寄る予定」だ。

横浜から来た恋人同士で

 横浜から来たという手をしっかり握っている恋人同士と思われる 30歳代のカップルは男性(30歳)は、「買い物? 遣ったのは3万円。全て自分のもの」とか。

数百席ありそうなレストランは満席 

 マンションなら高いか安いか、良いか悪いか、一発で分かる記者だが、ファッションはちんぷんかんぷん。まるで興味がない。昼食でもと思いレストランに入ったが、数百はありそうな席は全て満席。昼食はあきらめた。

定価販売店と競合しない一定の距離、交通の利便性、観光資源

事業成功の3要因

 施設を経営するチェルシージャパン広報では、

 「会社の設立当初に掲げた目標は、国内の主要マーケットで 8〜10ヵ所のプレミアム・アウトレットを展開することでした。2000年の御殿場(GPO)およびりんくう開業後は、順調に2003年3月「佐野プレミアム・アウトレット(以下、SPO)」、2004年3月『鳥栖プレミアム・アウトレット(以下、TPO)』、2005年3月『土岐プレミアム・アウトレット(以下、KPO)』と新規開業をしております。

 来年夏には神戸市に『神戸三田プレミアム・アウトレット』が新規オープン、 2008年春には、GPOも第3期増設をいたします。前3月期の全センターを合わせたテナント売上は1,000億を超えました。全センターで客単価もアップしており依然としてお客様の人気は衰えていないように思います。

 1号店であるGPOを計画していた当時は、『アウトレットはアメリカでは成功しても、日本では浸透しないだろう。しかも、御殿場と言う都心から離れた立地では無理』と言われ続けました。

 それでも、戦略は変えず、あくまでもこだわりました。通常の定価販売店と競合しないために、必要な一定の距離、人口密集地からの交通の利便性、観光資源。これが大成功を収めたことがチェルシージャパンの今日に大きく寄与しています」とコメントしている。

(牧田 司記者 12月4日)