RBA OFFICIAL
 
2014/05/21(水) 00:00

フージャースHD マンション単品から戸建て・地方・シニアの4本柱へ大きく転換

投稿者:  牧田司

img-president.jpg
廣岡社長

 フージャースホールディングスは5月21日、2014年3月期決算説明会を開き、廣岡哲也社長は、急速に進む少子高齢化や都市の成熟化など時代の変化を見据え、安定的な収益構造を構築するため事業戦略を大幅に転換していくことを明らかにした。3月期では72.5%の事業ポートフォリオ構成比を占める首都圏マンション事業を2017年3月期には20.0%に抑制し、地方・再開発を20.0%に、シニアマンションを20.0%に、分譲戸建てを20.0%に、中古再販・リノベーションを5.0%にそれぞれ引き上げる。

 今後の事業展開について廣岡社長は、「首都圏の一次取得層向けマンションは、需要はあるが土地や建築費の上昇でやりたくともやれなくなってきた。分譲戸建ては相対取引で用地も取得できており、建築費の上昇もそれほどでない。商品企画を向上させたことで、大手と戦える手ごたえもある。引き続き拡大させ、年間200棟くらいを目標にしていく。地方は駅前の一等地や再開発案件など優位性のある案件を中心に手がけていく。中古再販・リノベーションも事業化が進んでいる。シニア事業は、補助金目当ての25㎡以下の『サ高住』とは一線を画す。70㎡くらいの『住まいを提供する』シニア向けの所有権で新しいニーズを掘り起こしていく。今年度は増収減益を見込んでいるが、事業転換のための端境期で、ネガティブな考えは持っていない」などと語った。

 同社の2014年3月期は、売上高369億円(前期比12.1%増)、営業利益67億円(同8.1%増)、経常利益64億円(同6.7%増)、当期純利益38億円(同30.8%減)を計上。マンションの売り上げ増が業績に寄与した。

 2015年3月期は売上高390億円(前期比5.6%増)、営業利益51億円(同24.9%減)、経常利益47億円(同26.8%減)、当期純利益28億円(同27.4%減)の増収減益を見込んでいる。

◇     ◆   ◇

 廣岡社長の話を聞いていて、至極もっともな選択だと思った。首都圏マンションは大手の寡占化が振興している。一次取得層向けは大手があまり手を出さない〝隙間〟ではあるが、用地争奪戦が激化するはずだし、建築費の上昇は当分続く。サラリーマンの取得限界に来ているだけにリスクも大きいと見ている。

 一方で、同社の分譲戸建ては数問前と比較してデザイン・外構が劇的に変わった。以前はパワービルダーと対して違わず、〝果たして大丈夫か〟と見ていたが、現在の商品企画なら大手と互角に戦える。

 地方はよく分からないが、廣岡社長は「地方は3匹目の土俵はないと思っている。エリアの一等地で展開していく」と慎重な構えも見せた。かつて地価の上昇局面で、首都圏から地方圏へ転戦したデベロッパーはことごとく失敗しているだけに廣岡社長の舵取りに注目したい。

 シニア事業について廣岡社長は「第二の柱に育てたい」と話した。「サ高住」は競争が激しいが、「施設」利用権ではなく「住まい」としての所有権分譲は大きな可能性を秘めていると思う。同社は全150戸の中高齢者向け「デュオセーヌ」をつくばで分譲中とのことだ。天然温泉、医療・介護・看護サービス、コミュニティを盛り込んでいるのが特徴だという。機会があったら見学したい。

 

rbay_ayumi.gif

 

ログイン

アカウントでログイン

ユーザ名 *
パスワード *
自動ログイン