野村不動産ホールディングス取締役社長 中井加明三
今年2015年は、「乙未(きのとひつじ)」の年です。この干支の特徴を一言でいうと「転換期」です。乙(きのと)という文字は草木の芽が曲がりくねっている象形であるため、新しい改革創造は進めるのですが、まだまだ外の抵抗力が強いという意味です。
未(ひつじ)という文字は、枝葉の繁栄・繁茂を表しますが、枝葉が繁茂すると暗くなることから(ひつじ)を(くらい)とも読みます。
これを、私なりに解釈しますと、今年は、新しい改革を進めるも、強い抵抗力があります。それに負けず改革を進め、旧態依然とした慣習を改めて、新しい価値観を受け入れる年と言えます。即ち長期的な計画や目標を立て、それに向けて突き進んでいく事が、重要な課題となる年だということです。
当社に当てはめれば、過去の成功体験に満足することなく、我々のステージを、さらにもう一段上げていく為に、新たな「企業風土改革」が必要不可欠だと考えています。
企業風土改革とは、我々が今まで正しいと思っていたことを、否定することからスタートしなければならず、生みの苦しみを経験するかもしれません。
守るべき我々のDNAは、しっかり守っていかなければなりませんが、その上で変えるべき風土をどのように変化させ、醸成して行くかが重要なのです。
ダイバーシティーの推進、即ち多様性を認め合える企業風土に挑戦して3年目となり、いよいよ核心に近づいて来たと思います。
多様な価値観を認めた上で、一人一人の資質や能力を考えた育成や指導が、出来るかどうかが、この改革の核心です。特定のジャンルだけでなく、様々な分野に挑戦させ、幅広い対応力を身に着けさせることや、一人一人の生活や事情を認識した、適切な業務支持ができることです。又、画一的な指導や支持が、如何に非効率で非生産的であるかを、理解させることなのです。
「企業風土改革」が実践されれば、我々野村不動産グループは一段とステップアップし、大きく変貌を遂げることになると確信しています。この企業風土は一人一人が変わることからスタートします。困難な改革ではありますが、全員で新しい野村不動産グループを創り上げる為に挑戦しようではありませんか。