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2015/05/08(金) 00:00

豊島区新庁舎 盲導犬トイレがあるのにどうして食堂や喫煙室はないのか

投稿者:  牧田司

 

 豊島区新庁舎が本格稼働した5月7日、マンション管理推進条例の取材のために訪れた。完成してから2度目の訪問だった。条例の記事を書く前に横道わき道回り道。

 新庁舎が立派なビルであるのは完成時も書いた。環境に配慮し、ユニバーサルデザインにも工夫を凝らしている。オフィス全体もゆったりしていていい。しかし、どうしても納得できないことが2つある。

 ひとつは職員食堂がないことだ。新庁舎の2階には飲食店が和食の「季の庭」と中華の「梅蘭」(現在は工事中)が入居するが、あとはコンビニのみ。庁舎外の近くには飲食店は少なくとも徒歩数分圏内には記者が歩いた限りほとんどない。

 区によると、職員が食堂を利用するのは限られた時間で効率的でなく、近隣の飲食店にも配慮して設けなかったという。旧庁舎時代でも職員食堂はなく、23区では唯一職員食堂がなかったそうだ。

 しかし、職員食堂がないというのはいかがなものか。もちろんコンビニで弁当を買おうが、飲食店を利用しようが、自宅から弁当を持参しようが職員の勝手だし、オフィスワーカーの昼食がどのようなものか記者は知らないが、豊島区新庁舎には約1,300人が働き、一般の人も利用する。職員も一般の人も安い料金で利用できる食堂くらい設置していいのではないかと思った。職員食堂はコミュニケーションの場でもある。

 他の庁舎はどうか。農水省はごはんがおいしい。国交省もまずまず。国会図書館は全然改善されていない。港区はもちろん一般の人も利用できる職員食堂があり、庁舎外の提携している飲食店を職員が利用した場合、割引料金になるそうだ。豊島区は職員が庁舎内の飲食店を利用しても一切割引はない。

 丁度昼時だったので、庁舎から徒歩数分のタバコが店の外で吸える小さなラーメン屋さんでラーメンを食べ、店の人に聞いた。「お客さんが増えると期待していたが、1割くらい増えたのみ」と話した。職員はいったい昼食をどうするのだろうと気になった。多目的スペースが1階にあるはずだが、全然気が付かなかった。

 もう一つは喫煙室が全くないことだ。これについては多く触れないが、都庁はタバコが吸える食堂もあるし、喫煙室も随所に設けられている。最近のオフィスビルは喫煙室を設置するのが常識だ。2階のコンビニには喫煙室があるそうだが、まさかタバコを吸うためにコンビニを利用するわけにはいかない。何か買うことになる。

 職員食堂も喫煙室もない豊島区新庁舎で働く職員の仕事の能率が下がるのではないかと心配になってきた。労働環境としてはいかがなものか。「自然環境」も大事だが、そこで働く「人」の環境も重視すべきだ。隈研吾氏はこのことを知っているのだろうか。「盲導犬」のトイレは設置されていた。

屋上に里山とせせらぎ、格子デザインも美しい豊島区新庁舎が完成(2015/3/26)

 

 

 

 

 

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