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2016/10/01(土) 00:00

敷地延長の難点を解消したプラン光る 総合地所「ルネテラス船橋」

投稿者:  牧田司

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「ルネテラス船橋」(クルドサック中央がシンボルツリーの常緑コブシ)

 総合地所が9月29日、戸建てプロジェクト「ルネテラス船橋」の記者見学会を行った。各分野の専門家を起用、ありきたりの区画割にするのではなく、メイン道路をR状にしたり公園・クルドサックを巧みに配したりすることで独創的なプランを提案しているのが特徴だ。難点は駅からやや距離があることだが、商品力でカバーするか。

 物件は、JR総武本線船橋駅から徒歩17分、船橋市海神町3丁目の第1種住居地域(建ペイ率60%、容積率200%)に位置する全34棟。先着順の住戸(3棟)の土地面積は110.00~110.32㎡、建物面積は97.76~99.36㎡、価格は4,460万~4,960万円。構造・工法は木造2階建(2×4工法)。設計・施工は西武建設。販売代理は東急リバブル。

 現地は、日本道路公団の社宅跡地。当初は全36棟のごく一般的なプランで計画されていたが、美しい街をつくるため多くの街づくりを手掛け、グッドデザイン賞も受賞しているHIRAMEKI・重松剛氏の提案も踏まえて検討を重ね、最終的に図2のように変更した。

 このほか建物デザインは高橋慶郎建築設計事務所、内外装のカラーコーディネートにはアレス建築設計の平田川奈氏、外構・景観設計には石勝エクステリアをそれぞれ起用。電柱の地中化、公園・クルドサック・R状の道路配置、49種200本超の植栽計画などで美しい景観をつくり出した。

 街区を4つに分け、趣味や子育てなどそれぞれの好みによって住戸の選択の幅を広げる工夫を施している。サイクルポート付きで、食洗機、ミストサウナが標準装備。

 販売上ネックになる敷地延長住戸は隣り合う住戸の向きを変え、十分な幅と奥行きを持たせ、敷地南側に公園を配することで難点を利点に転換する工夫も盛り込まれている。

 モデルハウスは約5.6畳大の土間付きで、外と内をつなぐように同じタイルが敷き詰められている。

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モデルハウス 土間

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重松氏

◇       ◆     ◇

 見学会場に掲げられていた街並み完成パースを見てびっくりした。大規模とはいえ34戸の、しかも不整形な敷地のほぼ中央に半円形の道路を通した戸建て団地などほとんど見たことがないからだ。利益・効率を優先するデベロッパーはまずこうした道路は設けない。

 同社も当初は並みのありきたりの区画割を検討したようだ。それが別掲の図1だ。全体で36棟になっていた。それをHIRAMEKI・重松剛氏の提案も踏まえて検討を重ね、最終的に図2のように変更した。

 その経緯を同社分譲第一事業部戸建営業部長・入倉康治氏は「当社は後発ではあるが、お客様の印象に残るものにしようと考えた。思い通りの街ができた」と語り、HIRAMEKI・重松剛氏も「過去の街づくりではなく、もっと美しく楽しく、かつシンプルな住み心地のいい街を具現化した」と話した。

 独創的なプランを象徴するのが敷地延長住戸だ。一般的には日照その他の条件が悪く、価格を下げないと売れないのだが、ここは逆だ。敷地延長部分は幅が約3m、奥行きは約15mあり、しかも隣り合う住戸の向きを変えることでプライバシーを確保し、広がりを持たせ、さらに建物の南側に公園を設置することで開放感のあるものにした。

 敷地の緑化や外構にも工夫を凝らしている。芝生より安価でメンテフリーの「ダイカンドラ」を建物の際まで敷き詰めた住戸もある。

 ロックガーデン付き住戸には「赤ボサ石」が採用されているが、ボサ石は火山岩の一種で軽石のように軽くて吸水性があることから、日陰だと苔が生え趣のある表情になるのだという。

 シンボルツリーには常緑のコブシを植え、街区の一部には西洋シラカバがリズミカルに配置されている。

 同社は商品化に当たって同業他社の物件をかなり研究したというが、高橋氏や平田氏が手掛けた戸建てを記者はほかで見学している。重松氏はたくさんグッドデザイン賞を受賞しているが、今回も間違いなく(エントリーすればだが)受賞するはずだ。

区画(参考・従前).jpg 区画.jpg
従前計画1(左)と実施プラン2

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敷地延長部分(左)とその住戸(手前が公園)

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ダイカンドラ

 

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