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2017/01/25(水) 17:37

「高尾」の再現なるか 湘南の流れ呼ぶか 大和ハウス「(仮称)プレミスト湘南辻堂」

投稿者:  牧田司

【大和ハウス工業】「(仮称)プレミスト湘南辻堂」外観パース.jpg
「(仮称)プレミスト湘南辻堂」完成予想図

 大和ハウス工業は1月25日、IoT技術とAI(人工頭脳)を活用したスマートウェルネスをテーマにした湘南エリア最大級の大規模マンション「(仮称)プレミスト湘南辻堂」(914戸)を着工し、今夏にモデルルームをオープンすると発表した。これまでにない商品企画で挑むことで、同社は「湘南に流れを作り、『高尾』の再現を目指す。3年間で売り切る」と自信を見せた。

 物件は、JR東海道本線辻堂駅から徒歩9分、藤沢市羽鳥一丁目に位置するA敷地の14階建て404戸と、B敷地の13階建て510戸の全914戸。先行して着工するA敷地の専有面積は68.91~93.18㎡、価格は未定だが、最多価格帯は5,000万円台。坪単価は220万円台に収まる模様。設計・監理・施工は長谷工コーポレーション。竣工予定は2018年12月。売主は同社と長谷工コーポ。管理は長谷工コミュニティ。

 現地は、A敷地とB敷地を合わせ約3.5haのNTT社宅跡地。再開発によって街並みが一変した「湘南C-X(シークロス)」内の「テラスモール湘南」へ徒歩6分。

 詳細なプランは未定だが、「湘南の自然と文化に包まれて、大人が自由に、豊かに、健康に暮らせる街づくり」をコンセプトに敷地南側を「湘南の海ゾーン」、敷地北側を「湘南の森ゾーン」とし、「湘南の海ソーン」には「フィットネスジム」のほか、「カフェラウンジ」「ライブラリー」「アトリエ」を設置する。「湘南の森ゾーン」には「アリーナ」や「BBQテラス」を配置、「茶室」、「山小屋」、「隠れ家」をモチーフとしたゲストルームを3戸用意する。

 大きな特徴であるスマートウェルネスでは、ウェアラブルデバイス(衣服状リストバンド型で、身に着けて持ち歩くことができる)などを用いたIoT技術やAIと、同社グループのスポーツクラブNASが監修する運動メニュー提案などのソフトサービスを融合したヘルスプロモーションサービスを採用。同社グループが昨年8月オープンした「スポーツクラブNAS藤沢店」とも連携する。

 このほか、余暇活動やコミュニティ形成などの支援サービスとして、入居者専用の会員組織を設立し、辻堂駅とマンション間でシャトルバスを運行する予定。

 記者発表会に臨んだ同社東京本店マンション事業部事業部長・松岡康成氏や同事業第四課係長・二改隆広氏らは「「『プレミスト高尾』のように後背地の戸建て居住者の買い替え、買い増しが期待できるし、そのためにシャトルバスの運行も決めた。湘南に流れを引き込み、『高尾』のような連続即日完売を狙い、3年間で売り切りたい」と語った。

【大和ハウス工業】ヘルスプロモーションサービス イメージ.jpg
スマートウェルネス概念図

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アリーナ

◇       ◆     ◇

 最初に戸数を聞いたとき、正気の沙汰ではないと思った。いま関電不動産開発が分譲している全352戸の「シエリア湘南辻堂」は半年で約200戸を成約するなど極めて好調な売れ行きを見せてはいるが、その3倍近い。

  しかし、ニュースリリースを読み、松岡氏らの話を聞くうちに〝ひょっとしたらいけるかもしれない〟と思うように変わった。それだけインパクトの大きいマンションになりそうだ。

  その条件が揃った。立地条件が申し分ないことはいうまでもない。ここ数年、辻堂駅圏で分譲されたマンションも戸建ても極めてよく売れた。「テラスモール湘南」の効果は計り知れない。

  ヘルスプロモーションサービスも大きな関心を呼ぶはずだ。詳細は未定だが、同社のロボット事業「ヒューマン・ケア事業」は業界でも最先端をいく。このマンションと連動するかどうかは分からないが、その知見は生かされるはずだ。

 もう一つ、辻堂は、全416戸をわずか16カ月で完売した「プレミスト高尾サクラシティ」とよく似た特性を持つことだ。「高尾」の購入者の約4割がシニア層だったが、これは後背地の戸建て居住者の買い替え・買い増し需要を取り込んだためだ。「辻堂」も同じことがいえる。戸建て居住者の属性は「高尾」とほぼ同じと見た。収入・資産などに恵まれた人たちだろう。シャトルバスの運行も大正解。

 価格が心配だったが、松岡氏は「関電さんと同じくらい」と話した。つまり坪単価は220万円台、高くても230万円台に抑制するようだ。これほどの商品企画なら子育て層の需要ももちろん期待できる。

  記者団からは「郊外マンションが不振」などの質問が飛んだが、確かにこの1年間のマンション市場は変調をきたし、先行き不安もぬぐい切れない。

 しかし、記者はしっかり造り込みをすれば郊外だって売れると見ている。販売力・ブランド力のあるデベロッパーはみんな腰が引けており、郊外を回避しているが、同社がその悪い流れを断ち切り、本来の流れに引き戻す可能性はあると見た。

 ただ、いくら何でも3年間で完売までもっていくのは難しいような気がする。もし3年間で完売したら逆立ちはできないし頭も剃らないが、同社こそがマンションの雄と称賛したい。一つ提案だ。温泉はどうだろうか。売上げ4兆円を目指す企業だ。それくらいの負担はなんてことないはずだ。「辻堂ダイワロイヤル温泉」とでもすれば大ヒット間違いなしだ。

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アトリエ

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ゲストルーム(茶室)

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