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2017/08/09(水) 22:33

〝オールスターツ〟「QUWON(クオン)新浦安」始動 新浦安ブランド回復のシンボル

投稿者:  牧田司

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「QUWON(クオン)新浦安」

 〝オールスターツ〟のビッグプロジェクト、「QUWON(クオン)新浦安」が始動した。50,000㎡超の第一種低層住居専用地域に、同社グループを始めとする民間グループ、浦安市、明海大学などが連携して防災に強い街づくり、高齢社会対応、子育て支援の強化などの課題を解決し、地域ブランドの回復を目指す事業だ。「QUWON(クオン)新浦安」はその第一弾の4階建て全170戸の免震マンション。

 物件は、JR京葉線新浦安駅から徒歩15分、千葉県浦安市明海二丁目の第一種低層住居専用地域に位置する開発面積約51,000㎡の一角に建つ4階建て全170戸。現在分譲中の住戸(9戸)の専有面積は75.87~129.88㎡、価格は5,058万〜11,698万円。坪単価は260万円。竣工予定は平成30年7月下旬。設計は日建ハウジングシステム・スターツCAM、施工はスターツCAM・(液状化対策工事)竹中土木、管理はスターツアメニティー、売主はスターツコーポレーション、売主・販売代理はスターツデベロップメント。

 開発地には同マンションのほかに戸建(90区画)、保育園、高齢者ケア施設が予定されている。

 7月から第1期60戸の分譲が始まっており、マンションギャラリーのチーフアドバイザー・佐藤勇介氏は「当社初のオールスターツの物件。売れ行きは順調。当社グループのホテルエミオン東京ベイが格安で泊まれるサービスも好評。戸建てとの近居を考えているお客さんもいる」と話している。震災時の被害についてはほとんどの来場者がよく知っているという。

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◇       ◆     ◇

 同社は売上高1,808億円(2017年3月期連結実績)、従業員数7,401名(2017年4月末現在)の大きな会社だが、記者が取材を始めた1980年代は江戸川区のあまたある不動産屋に過ぎなかった。「千曲不動産」という商号だった。

 同社がマンションを積極的に分譲しだしたのは1990年代だと記憶しているが、驚愕したのはユニバーサルデザインをテーマにした2000年竣工の「アルファグランデ市川本八幡」(217戸)だった。駅から徒歩19分の絶望的な立地だったが、ものの見事に早期完売した。記者は、この物件を真っ先に「ベスト3マンション」に選んだ。企画を担当したのはスターツデベロップメント社長・市村義和氏だったはずだ。

 あれから約20年。今回のマンションを取材して、地域密着に徹し愚直に住まいのあり方を追求してきた企業姿勢が社会から評価されたのだろうと改めて認識した。同社は2001年から賃貸住宅の免震化を進めてきたが、これまでの施工件数は389棟9,381戸にのぼり、日本一の数だという。すごい数字だ。

 今回のプロジェクトの用地取得は震災前だった。震災後、新浦安ブランドは地に落ちた。そこで同社は一から企画を練り直した。地盤改良の解析と工事のために約1年、24億円を投じた。そして敷地内に18,000本の砂杭を打ち、さらに敷地外周部に2,280本の杭を打っている。4棟のマンションもすべて免震工法を採用している。

 設計-施工-販売-管理まですべて同社グループが主導する〝オールスターツ〟物件だが、ここに同社の意気込みがうかがわれる。浦安と新浦安の同社グループの拠点を中心に約3,200戸の管理戸数がある。本拠地の一つだ。万全の安全対策を施すことが信頼につながると判断したに違いない。

 住戸プランは、市の規制が厳しいので広めの住戸が多いのは当然だが、間口は最低でも6400ミリ最大9000ミリ、サッシ高2200ミリ、バルコニーの奥行き最大3m、メーターモジュールの廊下幅など千葉県の物件ではまず過去に例がないレベルの高さだ。

 坪単価について。新浦安駅から徒歩15分で坪260万円は高いか安いか、これはユーザーが判断することだ。これ以上書かないが、〝安心・安全〟を価格に換算したら、この値段では絶対に供給できないということだけは確かだ。

 あの時から6年振りに新浦安を訪れたが、あの痕跡をほとんど見つけることができなかった。新浦安ブランドが文字通り一新されることを願う。

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