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2023/04/04(火) 20:26

企画ヒット「間取りのない家」消費者も評価 伊藤忠都市開発「西葛西」

投稿者:  牧田司

クレヴィア西葛西_外観完成予想CG.jpg
「クレヴィア西葛西」

 伊藤忠都市開発が分譲中の「クレヴィア西葛西」を見学した。「間取りのない家」がコンセプトで、可動収納とウォールドアの組み合わせにより3LDKのプランを5パターン以上変えられるのが特徴で、購入顧客も選好理由は立地条件に次いで2番目に上げるなど、企画意図がヒットした。

 物件は、東京メトロ東西線西葛西駅から徒歩6分、江戸川区西葛西六丁目の近隣商業地域(建ぺい率100%、容積率400%)に位置する12階建て全49戸。専有面積は33.43~71.71㎡、坪単価は350万円。先着順で分譲中の住戸(5戸)の専有面積は68.46~71.20㎡、価格は6,890万~7,580万円。坪単価は350万円。竣工予定は2024年2月中旬。管理は伊藤忠アーバンコミュニティ。施工は川村工営。設計・監理は三輪設計。販売代理は伊藤忠ハウジング。

 敷地は東南道路の角地。住戸は2階以上で、6階までは1フロア5戸(うち2スパンは33㎡の1LDK)、7階以上は4戸。

 「間取りのない家」は、夫婦2人、夫婦と小さな子ども1~2人、夫婦と成長したこども1~2人などライフスタイル・ステージによって間取りを変更できるようしたもの。71㎡のAタイプにはウォールドアと可動収納(W850×D600×H2450、本体重量約130~170kg/台)4個を装備している。

 昨年9月にホームページを、今年1月にコンセプトルームをそれぞれ開設。これまでエントリー数は850件超、来場者は約120件。第1期25戸を3月末に分譲開始し、これまでに20戸が成約・申し込み済み。

 主な基本性能・設備仕様は、二重床・二重天井、ディスポーザー、食洗機、フィオレストーンキッチン天板、3種から選べる「DRESSIMO」、IoTスマート機器など。

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可動間仕切り 

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ウォールドア

◇        ◆     ◇

 住宅のnLDK表示の嚆矢は、1960年ころの日本住宅公団の賃貸マンションで、考えだしたのは建築家・磯崎新氏だとされている(磯崎氏は肯定も否定もしていない)。

 記者は、住宅戸数が絶対的に不足していた高度成長期や、ファミリー層を主なターゲットにしていたバブル崩壊前までは、nLDK表示はそれなりに意味を持っていたと思う。しかし、バブル崩壊後は新たな需要層として単身者・DINKSが登場し、子育てを終えた高齢者の需要も多いことから、nLDK表示の意味はないと考えている。住宅の質は基本的には広さであり、その空間をどのように利用するかは購入者が考えることだ。

 デベロッパーもそのことに気がついているようで、モデルルームでは3LDK、4LDKを1LDKにしているケースも多い。

 その意味で、同社の提案はニーズにマッチしたものだと思う。71㎡のA~Dのプランも可動収納・ウォールドアを使いやすいものになっているのがいい。間口はA・Bタイプは7600ミリ、Cタイプは8400ミリ、Dタイプは7550ミリだ。Aタイプの5.4帖大の主寝室に可動収納4個(左右3400ミリ)を1列に並べることもできる。間口が6000ミリの一般的な3LDKではこのような提案はまずできない。

 同社は今後の展開について、可動間仕切りの追加購入を可能にし、他物件にも採用を検討しているという。天井の高さによってサイズを変えられるようにし、量産も可能になればコストが下げられるはずで、普及スピードは高まると思う。

 同社のマンション管理についても一言。マンション適正評価制度が始まって1年が経過するが、★5つの物件を管理会社別でみると、グループの伊藤忠アーバンコミュニティが他社を圧倒している。

「間取りのない家」提案 伊藤忠都市開発「西葛西」コンセプトルームオープン(2023/1/19)

登録件数1000件突破 ★5つ最多は伊藤忠アーバン マンション管理適正評価(2023/4/2)

 

 

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