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2023/04/29(土) 12:50

延床876㎡の木造事務所 工期5か月、建築費坪110万円 ポラス「体感すまいパーク柏」

投稿者:  牧田司

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「体感すまいパーク柏」事務所棟

 ポラスグループのポラテックは4月28日、千葉県柏市の「体感すまいパーク柏」内に完成した常磐事業支店の事務所をメディアに公開した。木造軸組み工法2階建て延べ床面積約876㎡で、住宅用の一般流通材と同社のプレカット工場で生産した構造部材のみで建設した、工期5か月、建築費110万円/坪の現し内装仕上げが特徴。

 事務所は、東武アーバンパークライン豊四季駅から車で約7分、柏市旭町8丁目に位置する敷地面積約1.544㎡、木造軸組み工法2階建て延べ床面積876.94㎡。1階は商談用ブース7室など、2階は同社グループのアフターメンテナンスなどを手掛ける住宅品質保証の事務所。天井高は基本3m、最大4.5m。木造現し仕上げ。着工は昨年11月、竣工は今年4月。

 ポラテック取締役・橋本裕一氏は「『体感すまいパーク柏』は2018年にオープンしたが、敷地が1,000㎡を超えると開発行為となり、許可が下りるまで時間がかかるので、事務所などを除いた4棟でスタートした。今回の事務所は開発行為に基づいて建設したもので、当社プレカット工場生産した構造部材と、一般に住宅用として流通しているものを使用して完成させた。これまではお客さんとの商談スペースが十分とれなかった難点を解消し、2階に新築とアフターを担当する住宅品質保証が入居するので、柏・松戸の事業エリアをフォローする拠点となる。他のエリアでも同様の事業を展開していく」と語った。

 「体感すまいパーク柏」は2018年10月、「体感すまいパーク船橋」とともに開設。当初は4棟だったが、今年1月には新たなモデルハウス「和美庵(わびあん)」を完成させており全5棟体制となる。

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橋本氏

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エントランス部分

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2階事務所

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2階天井

◇        ◆     ◇

 内覧会では、橋本氏のほか3名の方が設計、構造、非住宅木造施設などについて説明した。「有限要素法による基礎構造の計算で基礎梁・地中梁を削減した」など専門的なフレーズも飛び出し、素人の記者などはちんぷんかんだったが、現しの快適性は言うまでもなく、同社の木造建築力の凄さを少しは理解した。

 第一は、工期の短さと建築費の安さだ。事務所は間口約37m×奥行き約13mだ。単純比較はできないにしろ、同社の30坪(100㎡)の分譲住宅の工期は100日弱というから、その8倍以上もある事務所の工期の短さに驚いた。

 S造との単価差は分からないが、国土交通省の令和4年度の建築着工統計によると、事務所の工事予定額は木造が64.2万円/坪、S造が121.9万円/坪だ。いかに単価も安いかが分かる。木造はCO2削減、SDGs対応のほか、快適性、固定資産税、減価償却費などの節税効果も大きい。

 二つ目は、2階の床仕上げだ。通常の事務所フロアはタイルやカーペット敷きだが、パナソニックの置敷きタイプOAフロア(フリーアクセスフロア)を採用、突板フローリング仕上げとなっている。施工がらくで着脱、配線、歩行性に優れているという。歩くと、マンションの直床よりは固いが、二重床仕上げより柔らかく感じる。(マンションには採用できないのか)

 三つ目は、特注のYKK APのビル用サッシを採用し、敷地北側に走る東武線の線路の音を遮断するため、旭硝子の遮音・遮熱性能が高い額縁ガラスを採用していることだ。2階の事務所内では音はほとんど聞こえなかった。この額縁ガラスはマンションでも見学したことがある。意匠性にも優れている。

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パナソニックの置敷きタイプOAフロア(中空部分は配線スペース)

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1階の商談ブース(デスクトップはイチョウ、ヒノキ、カバザクラ、タブ、エノキ、スギ、モミノキなどの銘板で、床、壁、天井も本物の木が採用されている)

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