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2023/05/13(土) 10:03

大手不動産流通5社の実績 売上高は東急 件数・取扱高は三井 単価は三菱、野村の順

投稿者:  牧田司

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 大手デベロッパーの2023年3月期の決算が出そろったので、各社の不動産流通事業の売上高、営業利益、取扱件数、取扱高、単価を別表にまとめてみた。各社が公表している数字をそのまま集計したもので間違っていないと思うが、なにしろ記者は不動産仲介事業をほとんど取材したことがない。間違っていたら謝るほかないことを最初に断っておく。

 まず、売上高。トップは東急リバブルで1,642億円。前期より11.9%伸ばした。以下、三井不動産リアルティ、住友不動産販売の順。営業利益も東急リバブルがトップで、前期より29.1%増の337億円。ただ、東急リバブルは自社開発マンションも手掛けているので、単純に売上高=手数料収入ではないはずだ。

 取扱件数トップは39,106件の三井不動産リアルティ。前期より5.0%減らしたが、これで37年間トップの座を占めたことになるのか。2位は住友不動産販売で、前期の38,114件から8.5%減の34,906件。もし前期より3%増やしていたら、首位に躍り出たのに…。3位は29,577件の東急リバブル。前期より2.9%増やした。4位の野村不動産​ソリューションズは9,985件。上位3社にはかなり差を付けられている。三菱地所グループの仲介会社は三菱地所ハウスネットもあるが、データは三菱地所リアルエステートサービスのみ。

 取扱高は三井不動産リアルティがトップで、前期比1.4%増の19,184億円。2位は東急リバブルで、前期比15.4%増の18,213億円。このままの勢いなら、今期は三井不動産リアルティを抜く可能性がありそうだ。3位の住友不動産販売は13,961億円で、大手5社のなかで唯一前期より減らした。件数では上位3社に大きく引き離されている野村不動産​ソリューションズは18.7%増の10,603億円で、住友不動産販売を追っている。

 取扱高を取扱件数で割った1件当たりの単価が興味深い。取扱件数や取扱高と全く逆だ。もっとも単価が高いのは三菱地所リアルエステートサービスで、前期より5,233万円伸ばして29,732万円となり、他社を大きく引き離している。2位の野村不動産​ソリューションズも前期比1,757万円増の10,619万円。3位は前期比669万円増の東急リバブルで6,158万円。3位は4,906万円の三井不動産リアルティ、4位が4,000万円の住友不動産販売。

 どうしてこのような結果になるのか記者はよく分からないのだが、仲介戦略の違いか。三井と住友は全国展開し、東急と野村は大都市圏に絞り、三菱はリテールよりホールセールに力をいれているためか。三井も住友もホールセールに注力すればできないはずはないと思うのだが…。仲介ではなく直接取引を行っているからなのか。

 仲介実績については、業界紙が毎年5月末に数十社を対象にしたアンケート調査によるランキングを発表している。どのような結果になるか注目したい。


 

 

 

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