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2024/01/01(月) 00:00

追い風の好機生かし攻めの経営進める 東急不動産HD・西川弘典社長 年頭所感

投稿者:  牧田司

 新年を迎えたが、ウクライナ、イスラエル問題など地政学上の不安定さや為替の動向、資源高の継続、人手不足や賃金上昇等による工事金の高騰、長期金利の上昇を受けた住宅ローン固定金利の引き上げなど、事業環境を取り巻く状況は引き続き注視が必要だ。その一方、新型コロナウイルスが五類に移行するなど一時期より世の中が落ち着きを取り戻すなか、インバウンドの来訪数がコロナ禍前の水準まで回復していることは明るい材料の一つ。今後もこうした世の中の動きが当社グループの事業環境にどのような影響を及ぼすのかについては慎重に見極めていく。

 こうした状況下、足元の不動産市場は仲介市場の好調など良好な状態を維持している。当社グループの業績にも追い風が吹いており、この好機を生かして「攻めの企業経営」を進める。最重要拠点の渋谷駅から半径2.5キロメートルの「広域渋谷圏」では、昨年10月には『職・住・遊近接の新しいライフスタイル』を提案する新複合施設「Forestgate Daikanyama(フォレストゲート代官山)」をグランドオープンし、昨年11月には渋谷最大級のスケールとインパクトを誇る“次世代型ランドマーク”「Shibuya Sakura Stage(渋谷サクラステージ)」が竣工するなど、複数の大型再開発で旺盛な不動産需要の取り込みを図っている。また、線路や幹線道路をまたぐデッキを新設するなど課題だった渋谷駅周辺のバリアフリー化も同時に進め、高齢者や小さなお子様連れの方々でも訪れやすい街づくりを進めている。渋谷サクラステージの竣工で渋谷駅周辺の大型再開発は一段落したようにみえるが、広域渋谷圏の開発はこれからも続く。今後も東急グループ一丸で、広域渋谷圏の国際競争力向上を目指し拠点整備を進めていくのと同時に、積極的なスタートアップ支援などで渋谷発の産業育成にも注力していく。

 当社グループは長期ビジョンで「環境経営」「DX」を全社方針として掲げており、環境経営の分野では昨年8月に事業における生物多様性の回復傾向(ネイチャーポジティブ)を志向する、国内の不動産業で初めての「TNFDレポート」を公開した。広域渋谷圏を自然関連情報の検討・分析を行う優先地域に据え、東急プラザ表参道原宿など様々な緑化の工夫を凝らした物件と代々木公園などの緑とつなぐことで、生物多様性を志向する取り組みに力を入れていく。太陽光発電や風力発電など国内有数の発電量を誇る再生可能エネルギー事業などと合わせ、環境問題という国内外の社会課題解決の一助を担う存在となりたい。

 また、当社が持つリゾートホテルなどの観光資源とGX(グリーントランスフォーメーション)とを合わせ「地方共生」にも取り組んでいく。地域が抱える課題に向き合い、当社グループが抱える事業ウィングの広さや事業拠点の範囲の広さを生かし、当社グループが拠点を置く地域の住民や行政、ビジネスパートナーなど様々なステークホルダーとの協働・共創を進めながら、新たなビジネスの芽を開いていきたい。


 

 

 

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