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2024/01/10(水) 18:13

環境・都市・住宅政策の取り組み強化 不動産協会・吉田理事長 新年賀詞交歓会

投稿者:  牧田司

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吉田氏(オークラ東京で)

 不動産協会と不動産流通経営協会は1月10日、新年合同賀詞交歓会を都内のホテルで開催した。会の冒頭、参加者全員が能登半島地震で亡くなられた方々のご冥福を祈る黙とうをささげたのち、不動産協会理事長・吉田淳一氏が以下の通り挨拶した。参加者は1,050人。                                       

 皆様、それぞれお健やかに新しい年をお迎えのことと存じます。不動産協会理事長の吉田でございます。

 本日は不動産協会、不動産流通経営協会合同の新年賀詞交換会に、堂故(どうこ)国土交通副大臣をはじめ、日頃よりご指導いただいております国会議員の先生方、関係諸官庁・友好団体や報道関係の皆様など、多数ご出席いただき、まことにありがとうございます。主催者を代表いたしまして、ひとこと年頭のご挨拶を申し上げます。

 まずは、今般の能登半島地震で亡くなられた方へご冥福をお祈りするとともに、被災された方々へ心よりお見舞いを申し上げます。被災地の一刻も早い復旧・復興を心から願っております。

 さて、今年の新年賀詞交換会は人数制限なく通常にお食事を提供して開催しております。活気ある会にしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。

 昨年を振り返ってみますと、コロナの5類移行により完全にコロナ禍からの脱却が図られ、社会経済活動の正常化が進められてきました。インバウンド観光客もコロナ前を上回る勢いで増加しており、経済の活性化に貢献しています。

 スポーツにおける明るい話題もありました。WBCでの侍ジャパンの優勝をはじめ、バスケットボールやラグビーのワールドカップでの日本チームの健闘には、大きな感動を覚えました。スポーツの力の大きさを改めて実感した次第です。スポーツやエンターテイメントへの取り組みを魅力的なまちづくりにも活かしていきたいと考えています。

 一方、ロシアによるウクライナ侵攻は、いまだ終結の兆しがなく長期化しており、さらにはパレスチナでの紛争が勃発し、こちらも停戦の兆しが見えません。国際秩序の維持に向けて、各国が連携を深めていくことが期待されます。

 そうした中で、我が国の経済は緩やかな回復基調にありますが、物価上昇や世界経済の下振れリスク等の不透明な状況により、先行きについては予断を許しません。また、少子化・人口減少をはじめとした構造的な課題にも直面しています。

 こうした中、GXやDXを加速させ、経済社会の変革を進め、持続的な成長を実現するためには、様々な社会課題の解決を経済成長のエンジンに変え、民間投資を拡大、我が国の競争力を一層強化するとともに、分厚い中間層を形成していくことが不可欠です。

 当協会では、そうした観点から、税制について、要望活動を積極的に進めてきました。先日決定された令和6年度与党税制改正大綱では、最重点要望であった住宅ローン減税の借入限度額の維持について、1年間、子育て世代に対して認められたのをはじめ、土地固定資産税の負担調整措置や国家戦略特区の特例の延長など、当協会の主要な要望は概ね認めていただいています。経済の力強い成長に寄与する措置として大いに歓迎したいと思います。ご尽力いただいた先生方、関係の皆様方に、厚く御礼申し上げます。

 さて、今後の協会の活動について簡潔にお話しいたします。

 2050年カーボンニュートラルの実現に向け、官民連携してGXを促進する取り組みが進んでおります。環境政策につきましては、持続的成長と経済合理性、社会課題解決、顧客共感という三要素の共通理解・同時実現が不可欠です。当協会としても不動産業界におけるGXを加速させるための環境整備に引き続き取り組んでいきます。

 そうした中で、普及促進の途上にあるZEH、ZEB水準への取り組み加速や、中高層建築物の木造化促進、SCOPE(スコープ)3への取り組みについてもしっかりと行っていくことが重要です。

 都市政策につきましては、都市の国際競争力の強化が引き続き重要です。世界中から多様な人を呼び込むビジネス・生活環境の整備として、都市の魅力を高める機能集積を図り、質の高い賑わい空間を創出すべく、まちづくりGXの推進、ウォーカブルな空間形成、エリアマネジメントの着実な進展に取り組みます。

 住宅政策につきましては、豊かな住生活の基盤となる安心・安全で良質な住宅ストックの形成・循環に向け、質の高い住宅の供給、こども・子育て世代等、多様なニーズへの対応を進めてまいります。

 とりわけ、マンションにおいては建物と居住者の両方における高齢化の「2つの老い」が進行し、課題となっています。今後、高経年マンションストックの急増が見込まれる中、区分所有法の改正が議論されており、マンション建替え決議の多数決要件引下げなど合意形成の円滑化、適正な管理の推進に向けて取り組んでいきます。また、子育て世帯等を支える住まいと環境づくりについては、今般、政策支援をいただいておりますが、継続・充実化に努めてまいります。

 その他、国際化への対応を進めるほか、事業環境の整備について、2024年問題への対応も踏まえ ますます重要性を増す物流不動産、インバウンドの回復により事業機会が拡がるリゾートの開発なども対象として、幅広く取り組んでまいります。

 当協会としては、国民の暮らしを豊かにするまちづくりや住環境の整備を通じ、我が国の経済・社会の発展に向けて、貢献していきたいと考えておりますので、引き続きご理解、ご支援賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

 結びにあたりまして、皆様の一層のご活躍とご健勝をお祈りし、また今年一年が皆様や国民にとって明るく良い年となることを祈念申し上げて、私の挨拶とさせていただきます。

 ありがとうございました。

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左から三菱地所元社長・杉山博孝氏、三井不動産会長・菰田正信氏、吉田氏

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吉田氏(左)と鹿島建設・押味会長

 

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