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2024/02/27(火) 23:33

マンション管理計画認定制度の普及、基準見直し論議 国交省 ワーキンググループ

投稿者:  牧田司

 国土交通省は2月27日、第5回「標準管理規約の見直し及び管理計画認定制度のあり方に関するワーキンググループ」(座長:齊藤広子・横浜市立大学国際教養学部教授)を開催。管理計画認定制度の更なる普及・促進にむけて、管理計画認定基準の見直しの方向性や管理計画認定制度の今後の方向性などについて論議が交わされた。次回は3月26日で、最終とりまとめが行われる予定。

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 記者は、適正な管理・運営が行われている中古マンションが市場で適正な評価を受けられるよう、管理状況を★5つで評価・表示するマンション管理業協会のマンション管理適正評価制度に期待はしているのだが、自治体が主導している管理計画認定制度そのものがよく分からない。前回も書いた通りだ。

 今回の会合で、管理計画認定制度の普及が進まないのは管理会社の協力が得られないからという旨の指摘もあったが、これは当たらない。マンション管理協は自らの制度の普及に懸命で、自治体の制度普及に協力する余裕などないはずだ。

 また、長期修繕計画の積み立て方式について論議されたが、これも記者はよく分からない。建物と居住者の2つの老いに加え、加速度的に進む人口減少社会の中で、マンション管理、修繕積立金制度はどうあるべきか、行政はどこまで踏み込むべきか分からないからだ。

 分からないといえば、修繕積立金の額そのものもそうだ。国土交通省が5年ごとに調査を行っている「マンション総合調査」の直近の平成30年度のデータによると、月/㎡当たりの管理費の総額(駐車場使用料・専用使用料からの充当額を含む)は平均217円となっている。また、月/㎡当たりの修繕積立金の総収入額(駐車場使用料・専用使用料からの充当額を含む)は平均179円となっている。

 この数値が管理費や修繕積立金の額の多寡を判断する目安となるが、現実のマンションではあまり参考にならない。全てを足してその数で割った平均値でしかないからである。言うまでもなく、一口にマンションといっても、地域、戸数規模、エレベータや駐車場の有無、管理レベルによって管理費や修繕積立金の額は異なってくる。建物の維持・管理に必要な適正な修繕積立金の額はいくらなのか、答えられる人など一人もいないはずだ。

 その額が分からないのに、基準額を定め、段階増額積立方式の初期額が均等額の0.6とか最終額が1.1倍とかを示したところで、単なる目安にしかならない。

 ある委員の方が、長期修繕計画に関する資格制度を設けてはどうかと発言したが、これは一法かもしれない。AIを活用すれば、様々な数値を入力するだけで修繕積立金の額を瞬時にはじき出してくれるのではないか。

 また、管理計画認定制度の登録の有無を売買契約の際の重要事項説項目に加えるか加えないかの発言もあった。制度の目的は、マンションの管理不全を防止し、適正に管理・運営されているマンションが市場で適正に評価されることにあるとすれば、登録のお墨付きが実効あるものにすることが先決だ。

反社への譲渡禁止を マンションの実態把握していない自治体が圧倒的多数 国交省会合(2024/2/1)

 

 


 

 

 

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