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2024/03/18(月) 21:03

オフィスワーカーの欲しい設備「食堂」/Z世代の働きたい場所「東京」 コリアーズ

投稿者:  牧田司

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左から横山氏、毛利氏、小笠原氏、川井氏(同社本社:丸の内二重橋ビル18階で)

コリアーズ・インターナショナル・ジャパンは314日、「コロナ禍前後のオフィス・職場環境の変化」のアンケート調査発表会&記者懇親会を実施。テレワーク(リモートワーク)は確実に定着している一方で、企業側はオフィス回帰に舵を切っており、テレワークを全くしないオフィスワーカーが過半を占めたと発表した。

 調査は、首都圏、関西圏に勤務する事務系・技術系のデスクワーク中心のオフィスワーカー448人に焦点をあて実施した。

調査の結果、首都圏では40代以下の年代のフル出社割合は50%を切っているが、年齢の高い層ほどフル出社の割合が高く、関西圏はすべての年代でフル出社が過半を占めている。

 現在のテレワーク日数と理想では、首都圏では現状維持派が大多数を占め、現状フル出社の継続を望む層と、現状フルリモートでフルリモートの継続を望む層が目立ち、二極化傾向がうかがえるとしている。

コロナ禍前後で職場環境はどんなところが変わったかの問いでは、テレワークが導入された、出社頻度が下がった、最小限のコミュニケーションになった、ペーパーレスになった、フレキシブルな働き方になったなどの回答が寄せられた。

変わらない点では、オフィスに出社することを求められる、ペーパーレスが進まない、テレワークができていないなどの回答が目立っている。

これからのオフィスのあり方については、オフィスに欲しい設備として首都圏ではほとんどの年代で「食堂」「コンビニ」「仮眠室」「WEB会議のための個室」「リフレッシュルーム/カフェスペース」などを望んでいることが分かった。

発表会では、住友不動産に約25年間勤務していたマネージングディレクター兼会長・小笠原行洋氏が挨拶したあと、ディレクター&ヘッド・川井康平氏がプレゼンを行い、川井氏とシニアディレクター&ヘッド・毛利郁氏、シニアディレクター・横山貴明氏によるパネルディスカッションが行われた。

コリアーズは、ナスダックおよびトロント証券取引所に上場する大手総合不動産プロフェッショナルサービス・投資運用会社。世界66か国で事業を展開し、従業員は約19,000人。年間売上高は45億ドル、運用資産は980億ドル。

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左から小笠原氏、川井氏、毛利氏、横山氏

        ◆     ◇

 調査結果はある程度予想された内容だった。テレワークが浸透するかどうかは、職種にもよるだろうが、会社の方針が左右することをうかがわせた。ペーパーレスが遅れているのは問題だ。

興味深かったのは希望するオフィス設備で、多くの人が「食堂」「コンビニ」「リフレッシュルーム/カフェスペース」を求めていることだ。「食堂」とはどのような食堂かよく分からないが、一般的な社員食堂・職員食堂や施設食堂とは異なるような気もする。これらは基本的には食事が目的のはずだが、コンビニやカフェを希望する人も多いことから、単なる食堂ではなく多目的でいつでも利用できる自宅のリビングのような空間を望んでいるのではないか。

そのような機能を備えていた施設では、三菱地所本社を2度見学したが、酒も飲めた。TSUTAYASHARE LOUNGEはいい。もちろん仕事ができるのがいいのだが、本も読めるし酒も飲め、喫煙室もある。多目的に利用できるコンビニは増えているようだが、独立店舗は平屋建てが多いのはなぜか。借地が多いのだろうが、容積率の半分も消化していないはずだ。

        ◆     ◇

同社は202310月、「東京23区内に正社員として勤務するZ世代(18歳〜27歳)」の男女825名を対象に、働き方に関する意識調査を実施している。この結果が面白い。

テレワークをしている人は49.8%、していない人は50.2%で、テレワークをしている人にその理由を聞いたところ「通勤時間がもったいないから」が56.0%、「会社の方針」が28.5%となった。テレワークをしない理由の1位は「会社の方針」で66.9%2位は「コミュニケーションが取りやすいから」が10.6%となった。

現在勤務するオフィスの立地に「満足している」人は25.0%、「どちらかというと満足している」人は43.6%と双方で約7割。満足している人、していない人にそれぞれその理由を聞いたところ、交通利便性、街の雰囲気、静か(満足)、騒がしい(不満)、飲食店、ブランド力などが上位にあがっている。

理想的な通勤時間を聞いたところ、「16分以上30分以下」が37.2%でもっともも多く、次いで「31分以上45分以下」が24.7%、「15分以下」が18.7%となっている。

理想通勤時間の選択理由を自由回答で聞いたところ、「時間がもったいない」「通勤でストレスを感じたくない」という声が多く寄せられた一方で、「家から近すぎるとプライバシーが怖い」「30分以内だと家賃が高い」「近すぎると仕事とのスイッチが切り替えにくい」などの声もあった。

働きたいと思うオフィス街の駅を聞いたところ、「東京」25.0%、「大手町」19.3%、「有楽町」11.6%、「新宿」8.8%、「日比谷」7.0%、「池袋」5.0%、「銀座」4.8%、「品川」4.6%、「日本橋」4.2%、「表参道」3.9%、「渋谷」3.4%の順でベスト11

これらの結果からでは、どこに住んでおり、どこに勤務先があり、どのような職種かなどは不明だが、テレワークは会社の方針が左右していると考えられる。

望ましいオフィス立地、通勤時間、働きたい勤務地(駅)から読み取れるのは、一言でいえば理想と現実の大きな隔たりだ。勤務地を東京駅とし、静かで、通勤時間が30分以下の駅は山手線・山手線内、北は川口、北千住、東は船橋、南は川崎あたりか。徒歩時間を含んだドア・ツー・ドアで30分だと、マンションなら坪単価500万円以下は皆無、10坪でも5,000万円以上だ。買える人はほんの一握りだろう。前段でも書いた三菱地所の社員もどれだけいるか。

 

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