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2013/09/04(水) 18:31

「サステナブル・コミュニティ研究会」セミナーに200人

投稿者:  牧田司

実証実験の知見を社会に還元し、人材育成、SC検定などにも取り組む

 

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「サステナブル・コミュニティ研究会」セミナー(秋葉原コンベンションセンター)

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挨拶するアドバイザリーボードの浅見泰司・東大大学院教授

 

 三井不動産レジデンシャル、三井不動産住宅サービス、外部団体、有識者からなるアドバイザリーボードで構成される「サステナブル・コミュニティ研究会」は93日、「コミュニティ力が創る新しい暮らし~集合住宅から暮らしが変わる~」をテーマにセミナーを行ない、これまでの実証実験の報告と今後の活動について報告した。約200人が参加し、関心の高さをうかがわせた。

 同研究会は、東日本大震災後の集合住宅のあり方として、住民同士の共助や地域住民との連携による持続可能な地域づくりが重要として20117月に発足。サステナブル。コミュニティ(SC)指標を作成し、新築マンションや既存マンションを対象に実証実験を行なってきた。

 SC施策はコミュニケーションの深化に効果があると報告された一方で、必ずしもコミュニティに対する関心・意識が高くないことから「懇親会」+「防災訓練」など住民の関心の高いテーマにイベントを工夫する必要があるとした。また、居住者の自主的な活動を支えるコーディネータの育成や、キーマンが承認・応援されるような環境づくりも重要であることなどが報告された。

 今後は居住者内部で得られた知見を地域に還元することも必要とし、管理組合向け人材育成セミナーやSC検定などを行なっていくとした。

◇      ◆      ◇

驚いたのは参加者の多さだった。会場となった秋葉原コンベンションホールは満席となった。集まるのは三井不動産の関係者や報道陣ぐらいではないかという予想は外れた。

驚いたのは参加者の数だけではなく、その属性にも驚いた。勤務先が不動産業というのは8.9%で、建設業、コンピュータ・情報通信、製造業、サービス業の4業種がそれぞれ14.610.4%と不動産業を上回った。官公庁も4.6%あった。商社マンやコンサルタント、弁護士などの参加もあった。企業規模は1万人以上が13.9&を占め、1,000人以上が約34%に達した。職種でも経営者・管理職、専門職が60%近くにのぼった。役職では会長・社長が11.1%もあった。

マンションのコミュニティ形成についてはここ数年関心が高まっており、同研究会のほかにも国交省の「マンション管理の新たなルールづくり検討会」、マンション管理業協会の「マンション長寿命化協議会」などでも活発な論議が行なわれてきた。今回の参加者の多さは主催者サイドの動員力もあるのだろうが、官民の取り組みの成果であり、われわれが考えている以上にマンションのコミュニティ形成に大きな関心が寄せられている証左だ。

◇      ◆      ◇

興味深い報告もあった。三井不動産レジデンシャル市場開発部 商品企画グループ兼総務部環境推進室主管・川路武氏が先進的な事例として紹介したもので、「柏の葉キャンパスシティ」のマンションでは、こどもが生まれたときやサークル・ボランティア活動、上下階の交流会などへ町会からコミュニティ支援として祝い金や助成金が支給されるというものだ。これはこれからの地域連携を考える意味で参考になる。

また、基調講演を行なった英国王立芸術大学院のへレン・ハムリン・センター・フォー・デザイン シニアリサーチフェロー  ジュリア・カセム氏は「イギリスにはマンションは少なく、人生をケアするシステム、選択肢が協会やチャリティなどを通じて行なわれている」と話した。わが国には大きな影響力のある協会などは存在しないが、かつては冠婚葬祭や町内会がその役割を果した。昔のままというわけにはいかないだろうが、現代に即した新しいデザインを考える必要がありそうだ。

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左からパネルディスカッションのモデレータを務めた日経エコロジー編集長・谷口徹也氏、パネリストの明海大教授・齊藤広子氏、三井不動産住宅サービス マンション管理本部業務推進部 業務推進課課長代理・木村貴一氏

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ひだりから川路氏、ジュリア・カセム氏

 

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